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- カフェ開業準備期間のスケジュールと資金調達の方法まで紹介!
職業詳細
カフェを開業するためには、どれくらいの期間が必要なので、いつまでに、何を準備すればよいのでしょうか。ここでは、開業するに必要なことを開業までの時間軸に沿って紹介します。さらにカフェ開業に必要となる資格や届出についても解説します。
カフェ開業のための準備リスト
カフェの開業にあたって、まず把握しておきたいのが、オープンまでのおおまかな流れです。カフェ開業のための流れと準備リストを見てみましょう。
開業の1年前
カフェを開業するためには、最低でも1年の準備期間が必要です。この段階でまず取り組むべきことは、お店のコンセプトづくりと物件探しです。お店のかなめとなる部分のため、じっくり時間をかけて考えておくといいでしょう。物件については、様々なエリアの異なるタイプのものを見ることで、かけられる予算や広さ、地域の特性などを明確にしましょう。
開業1年前の準備リスト
・お店のコンセプトを考え始める
・物件を探し始める
・事業計画について考え始める
・資金調達計画について考え始める
開業の半年前
開業の半年前になると、1年前に始めたコンセプト作りや物件探しなどをいよいよ本格的に進める時期になります。お店のコンセプトを確定して、今後そのコンセプトがブレないよう、自分が描く構想を文字にしてまとめておくといいでしょう。また物件選びについては、開業1年前から始めた物件探しの中で、理想とするエリアや広さなどが具体化してきているはずです。開業半年前には、その理想の条件に絞って、本格的かつ現実的に店舗とする物件探しを始めましょう。またそのコンセプトと物件の条件にあわせて、資金計画も立てていきましょう。時間のかかるメニュー開発もこの時期から進めておくのがおすすめです。
開業半年前の準備リスト
・お店のコンセプトを決める
・物件探しを本格的に行う
・資金計画を立てる
・メニューの開発
開業の2〜3カ月前
開業2〜3カ月前になると、もうオープンまであっという間です。物件を決定して、内装や外装に手を加える場合は工事会社に依頼しましょう。開業までの数か月分の家賃を支払うこととなりますが、内装と外装の工事や厨房設備の確認なども含め、必要な経費ですので、収支計画の中に含んでおきます。ここの費用を抑えることができないかどうかは、不動産会社に相談してみてください。また、融資を受けるためにも収支計画は不可欠です。開業までにどれくらいの費用がかかるかを明確にしておきましょう。収支計画は不可欠です。
開業2~3カ月前の準備リスト
・物件を決定する
・内相と外装を施行会社に相談・依頼する
・厨房設備や備品の各品と発注
・融資の申請を行う
開業の1カ月半前
開業1カ月半前は、依頼した工事会社が内装の工事を始める頃です。DIYに慣れている方や経費を削減したい方は、できる範囲のことは自分で行うという選択肢もあります。またあらかじめ考えておいたコンセプトに沿って、店名を決めるのもこの時期です。併せて、店舗のウェブサイトやSNSの開設やメニューと価格も決めていきます。
開業1カ月半前の準備リスト
・内装工事スタート
・店名を決める
・ウェブサイトやSNSを作る
・メニューと価格を決める
開業の1カ月前
開業の1カ月前には、営業許可など、各種の申請を行わなければなりません。それぞれの許可がおりるまでにかかる時間を逆算して、申請が遅れないようにしましょう。万一、営業許可などの申請ができていないと、いくら店やスタッフの準備が整っていても開業することはできません。また食材や飲料などを仕入れる業者を決め、従業員を雇う場合は、スタッフの募集と雇用も進めていきます。
開業1カ月前の準備リスト
・営業許可等の申請
・仕入れ業者を決める
・スタッフを募集する
開業の10日前
開業の10日前まで迫ってきたら、工事はすべて終了し、いよいよ本番の営業と同じように調理や顧客対応などのシミュレーションを行います。従業員の仕事内容・手順などを確認して、円滑に営業できるように準備していきます。最近は、実際にお店をオープンする前の準備期間として「プレオープン」するお店も増えています。その場合、お客様にはプレオープンであることを伝えておき、実際に注文を受けて、飲み物や食べ物を提供し、改善点があれば修正していきます。またSNSなどを利用してカフェのオープンを告知して、集客施策をスタートさせます。
開業10日前の準備リスト
・工事終了
・営業のシミュレーション
・プレオープン
カフェを開業するまでのステップ
カフェ開業に向けて準備することを時系列で見てきましたが、次はステップ別(やること別)に見ていきましょう。大まかに分けて、次のようなステップが準備段階で必要になります。それぞれのステップについて詳しく紹介していきます。
・コンセプトを作る
・資金調達する
・資格の取得・各種必要な届出
・物件選びと内装備品の準備
・メニュー作成と価格の設定
・販促活動と営業準備
コンセプトを作る
カフェ開業にむけて準備を進め、計画を立てていくときに、最も大切になるのが「コンセプト作り」です。飲食業界は入れ替わりが激しい厳しい業界です。数あるカフェのなかで、長く生き残っていくためには、コンセプトをしっかり作ることが重要です。頭の中で「こんなカフェがいいな」と思い描くだけではなく、具体的に文字として書き記して、明確にしていきましょう。
コンセプト作りのプロセスでは、その地域の競合のお店がどんなコンセプトをもとに営業しているのか、どんな客層をターゲットにしているのかなどを調査して、分析していくこともおすすめです。同じようなコンセプトの店では競争が難しくなるだけなので、あなたの店ならではの独自性を出すことを意識します。
資金調達する
カフェの開業においては資金調達も大切なプロセスです。自己資金だけで開業できれば問題ありませんが、多くの場合、金融機関から融資を受けて、開業資金に充てることになるはずです。資金調達の方法、開業資金の相場、開業費用を抑えるための工夫などを見ていきましょう。
資金調達する方法
資金調達する方法としては、大きく分けて4つ考えられます。
1つ目は、すべて自己資金で開業する方法。この場合は融資などの手続きは不要で、スムーズに準備できます。自己資金なので、借金を背負うリスクも小さくできます。
2つ目は、家族や親族などの身内から資金を出してもらう方法です。家族など身近な人から資金を調達できれば、融資を受ける場合よりも利子を抑えることができるでしょう。
3つ目は、金融機関から融資を受ける方法です。これがもっとも一般的な資金調達方法でしょう。ただし融資を受けるためには、各金融機関によって定められた条件をクリアした上で、返済の計画を明確にしておく必要があります。
4つ目は、クラウドファンディングで資金を集める方法です。特にカフェの開業に特定の目的があり、社会貢献につながるような場合は、広く呼び掛けて資金を集めることができるでしょう。
必要な金額の相場
カフェの開業に必要な資金は、どのくらいでしょうか。目安として、10坪程度の小規模店舗なら700万円前後、15坪くらいの中規模店舗で1,000万円〜1,200万円程が相場となります。この費用には、物件を取得する費用(保証金、敷金・礼金など)や内装工事の費用、厨房設備を整えたり、食器類や店内の備品を用意する費用、さらに従業員の採用費用や開業に向けての広告宣伝などの費用も含まれます。
費用を削減するための方法
開業してから営業が軌道にのるまでには、一般的に早くても半年程度の時間がかかります。その間は、実質、赤字で経営することになります。経営が軌道にのるまでの期間やコストを想定しておくことはもちろんですが、開業のための初期費用はできるだけ抑えておくことが必要です。開業費用を少しでも抑えるアイデアとしては、次のようなことが考えられます。
・居抜き物件を探す
・中古の厨房機器を探す
・賃料交渉を行う
・内装工事は自分で行う
・SNSで宣伝告知を行う
居抜き物件とは、以前の借主が飲食店を営業していて、その設備や内装をそのまま利用できる物件のことです。電気、ガス、水道などの工事が不要で準備期間を短縮できます。内装や、テーブル、チェアなど店内の備品、食器類などがそのまま使える場合もあり、そうした場合はかなりの費用削減になります。厨房機器などの設備は、中古品も販売されていますので、そうした機器を利用することもできます。
資格の取得
開業に向けて、必ず取得しておかなければならない資格がいくつかあります。「食品衛生責任者資格」「防火管理者」は、カフェを開業する場合は必ず必要になる資格です。初めてカフェを開業するケースでは、オーナー自らが資格を取得しておくとよいでしょう。また「日商簿記」はかならず必要な資格ではありませんが、カフェの開業は、カフェの経営者となることです。経営者に必要な会計の知識を持っておくことは、カフェを成功に導くための大切なポイントです。
「食品衛生責任者資格」
「食品衛生責任者」とは、店舗における食品衛生を管理する責任者のことで、飲食店の開業で必ず必要な資格です。店舗には必ず1人の食品衛生責任者をおくことが義務づけられています。食品衛生責任者の資格を取得するには、都道府県が行う講習会に参加し、修了試験を受験します。講習は1日で終わり、その後修了試験が行われます。調理師や管理栄養士の資格を持っている人は、食品衛生の知識を持っていることから、講習の受講は免除されます。
「防火管理者」
「防火管理者」とは、工場、店舗、病院、ホテルなど多数の人が利用する建物について、火災を予防するために必要な安全対策を定める責任者のことです。飲食店の場合は、収容人員が30人以上の場合に防火管理者を定める必要があります。収容人員は客席数とスタッフ数をあわせて計算します。
また収容人員が30人以上の店の場合は、延床面積によって必要な防火管理者の種類が異なり、300平方メートル未満は「乙種」、300平方メートル以上なら「甲種」になります。防火管理者の資格を取得するには、日本防火・防災協会や自治体、市町村の消防署が行っている講習を受講します。
「日商簿記」
簿記とは、会社の経営状態や財務状況を明らかにするために、営業取引や経営活動を帳簿に記録することをいいます。「日商簿記」は、簿記の技術や知識を認定する資格です。
カフェを開業したあとは、毎月の収支や経費を管理して、毎年、確定申告を行わなければなりません。カフェの開業にあたって、簿記の資格は必ずしも取得しておく必要はありませんが、日商簿記のような基本的な簿記の知識を持っていると経理業務や年末の確定申告はもちろん、カフェの経営状況を把握することにも役立ちます。また、開業準備に必要な財務計画や融資の返済計画などを考える際にも簿記の知識は大いに役立ちます。日商簿記は1級から3級まであり、まずは入門編にあたる3級の取得を目指すといいでしょう。
各種必要な届出申請
カフェの開業には各種の届出の申請も必要になります。例えば、「飲食店営業許可申請」「菓子製造業許可申請」「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」などです。カフェの経営スタイルや提供メニューによって必要な申請は異なります。
また届出の申請は難しいものではありませんが、申請が遅れると、開業が遅れてしまうことになってしまいます。開業準備に忙しくなると、こうした申請は後まわしになりやすいため、早い段階で予定を立てて、余裕を持って申請を行うようにしてください。
「飲食店営業許可申請」
まず必ず必要な申請が「飲食店営業許可」です。そして、営業許可を取得するためには、大きくわけて2つの要件が必要となります。1つ目は、食品衛生責任者をおいていること。2つ目は、保健所の検査を受け、定められた基準をクリアすることです。
飲食店営業許可を取得する流れは、まず保健所に行き、窓口で必要な書類を提出します。次に保健所による施設検査が行われ、合格すると営業許可証が交付され、開業が許可されることになります。申請から許可がおりるまでは、約2〜3週間をみておくといいでしょう。ただし、時期によっては検査が集中し、より多くの時間を要する場合もあります。余裕をもって申請するようにしてください。
「菓子製造業許可申請」
カフェで、パンやお菓子を調理して、テイクアウト販売も行う場合は、飲食店営業許可に加えて「菓子製造業許可」の取得が必要となります。 菓子製造業許可の「菓子」にあたるのは、ケーキなどの洋菓子のほか、和菓子、パンなどです。
菓子製造業許可を取得する条件は、都道府県知事が定めた施設や設備などの基準に適合していることと、食品衛生責任者をおくことです。菓子製造業許可は管轄の保健所に申請します。飲食店営業許可とは違った基準があり、必要な対策も異なりますので、店舗の工事を行う場合は、設計図などとあわせて、事前に保健所に相談しておくといいでしょう。
「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」
深夜0時以降にビールなどのアルコールを提供する場合は、開業の10日前までに「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」が必要になります。主食を提供する飲食店は、この届出は不要ですが、カフェの場合はほぼ必要になります。届出を行う場合は、平面図や営業許可証などと合わせて、管轄の警察署に提出します。
ただし、入居しているビルの規則でアルコールの提供が認められていないケースや、都市計画法などによってアルコールの提供が制限されている地域もあります。アルコールの提供を検討している場合は、あらかじめ不動産会社に確認しておきましょう。
「防火管理者選任届」
「防火管理者選任届」とは、一定規模の建物において防火管理者を専任して、消防署に届けておくことです。これは前述の「防火管理責任者」で紹介したように、カフェのような飲食店では収容人員が30人以上の場合にあてはまります。防火管選任者は、防火管理責任者の国家資格を取得しておかなければなりません。 防火管理者選任届を届け出る際は、防火管理責任者の資格を証明する講習の修了証等の提出が必要です。
「火を使用する設備等の設置届」
名前の通り、火を使う調理を行う場合に必要となるのが「火を使用する設備等の設置届」です。厨房の機器全体で使用する電力の合計が350kW以上になる場合や、ボイラーや70KW以上の給油機などを備えつけている場合が対象となります。届出は、所轄の消防署に必要書類とともに申請します。
「労災保険の加入手続き」
カフェでスタッフを1人でも雇用する場合は、スタッフの労働時間が短い場合でも労災保険に加入しなければなりません。労災保険とは、勤務時間内や通勤途中でケガや事故が起きた際に治療費を補償するものです。労災保険の手続きは、管轄の労働基準監督署で行います。開業の翌日から10日以内に手続きすることが求められています。
「雇用保険の加入手続き」
雇用保険については、スタッフの1週間の所定労働時間が20時間以上の場合で、かつ31日以上継続して雇用する場合に手続きが必要となります。雇用保険は、スタッフと事業主で保険料を半分ずつ支払う仕組みとなっています。雇用保険の加入の手続きは、公共職業安定所(ハローワーク)で、雇用保険の適用となった日の翌日から10日以内に行います。
物件選びと内装備品の準備
物件選びは、カフェの経営を成功させるうえで、極めて重要なポイントです。カフェ開業における「コンセプト作り」の大切さは、すでにお伝えしたとおりですが、同時に物件の「立地」も成功を大きく左右します。
物件を探すときは、立地条件、そして自分が作ったコンセプトが実現できる物件かどうかを確認します。また家賃を確認して、収支計画の予算内に収まるかどうかも十分確認します。
物件が決まった後は、内装のイメージを固め、予算を確定したうえで内装工事を進めます。厨房機器やレジ、テーブルや椅子、カップやカトラリーなど、必要な備品を調達していきます。
メニュー作成と価格の設定する
お店のコンセプトに沿ったメニューを揃え、他店と差別化するためのオリジナルメニューを提供する場合は、そのアピールの仕方も工夫する必要があります。またメニューの価格設定も重要です。原価を考慮しながら、近隣の競合店の価格相場などもチェックして、価格を設定していきます。原価率が高くてもお店の看板となる商品、稼ぎ頭の商品など、商品構成と売上を予測しながら、設定を行います。
販促活動と開業準備
開店に向けて販促活動と最終的な開業準備を行います。お店のウェブサイトを作って、営業時間やコンセプト、メニューを紹介することはもちろん、SNSを活用して販促活動を行います。人気店のSNSなどを参考にして、どんなことができるか考えてみましょう。
また開業準備の最終段階として、スタッフの採用やトレーニングを行います。スタッフのユニフォームも忘れずに手配しましょう。プレオープンが可能なら、実際にお店を開けてみて、お客様からダイレクトにフィードバックをもらいつつ、本格オープンに向けて準備を進めていきます。
開業準備は計画的に
カフェの開業は、たとえ小規模だとしても、コンセプト作りから物件探し、資金計画、融資の申し込み、内装工事、備品の手配、各種の資格取得や届出申請、スタッフの手配など、やらなければならないことは多岐にわたります。カフェの開業準備をスタートさせたときは、おおまかにフェーズに分けてスケジュールを区切り、各フェーズごとに何を行うか、具体化していきましょう。カフェ開業は、カフェの経営者となることです。経営者目線で計画を立て、実行していきます。
カフェオーナーを目指すならこのコース
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└https://www.lecole.jp/faculty/cooking/course/course6.php