調理師とはどんな仕事?内容や適性・調理師免許試験について徹底解説

職業詳細

有名レストランや大手ホテルなどで活躍し、マスコミなどにも登場する機会の多い調理師は、一見すると、華やかなイメージがありますが、

実際はどんな仕事なのでしょうか。調理師は病院や介護福祉施設、給食センターなど、食が必要な場所なら、どこでも必要とされる仕事です。

今回は調理師の仕事内容、調理師が活躍できる業種、雇用形態や年収、やりがいと大変さ、

さらには調理師に向いている人の特長、調理師になるための方法、調理師免許試験の内容などを取り上げます。

調理師とは?

 

調理師とは食事の調理を行う仕事で、日本では国家資格として認められています。

働く場所はレストランや食堂などの飲食業はもちろん、ホテル、企業の社員食堂、病院、保育園、給食センターなど、

食事の調理が必要な様々な場所に広がっています。調理師は「名称独占資格」とされ、資格を持っている人以外は調理師を名乗ることはできません。

ただし、業務として調理を行うことは調理師資格を持っていなくても可能です。シェフとして活躍している人が、

実は調理師の資格は持っていないケースもあります。

 

シェフの仕事について詳しく知りたい方はこちらへ

https://www.lecole.jp/occupation/detail/130.php

調理師の仕事内容・1日の流れ

調理師の仕事は、料理を作ることだけではありません。

食材の仕入れ、新しいメニューの開発、厨房やスタッフの管理、調理器具のメンテナンスなど、調理にかかわる様々な仕事を担っています。

調理師の一般的な1日の仕事の流れは次のようなものです。

  1. 食材の仕入れ
  2. 食材の仕込み、開店準備
  3. 調理や接客
  4. 食器洗い、後片付け
  5. 調理器具のメンテナンス
  6. 清掃
  7. 必要に応じて、明日の仕込み

調理師が活躍できる業界や現場

調理師が活躍できる場所は、多岐にわたります。具体的にどのような場所が考えられるか、一例を見ていきましょう。

・レストラン、カフェなどの飲食店

・ホテルや旅館

・企業の社員食堂

・学校・保育園向けの給食調理センター

・病院・介護福祉施設

上記以外にも調理師として仕事をする選択肢は様々です。

例えば、飲食店の中にも、個人経営のものから、マスコミに登場するような人気店、大手チェーン店など、

形態によってシェフとしての活躍の仕方も変わります。また、企業の社員食堂や自治体の給食調理センターなどでも調理師は必要とされています。

昨今では病院・介護福祉施設での調理師のニーズが高まっており、栄養士と協力して、おいしくて、食べやすく、

栄養に優れたメニューを工夫する能力が求められています。食品メーカーなどの商品開発部門などで、メニュー開発に携わるケースもあります。

調理師の雇用形態・働き方

調理師の雇用形態には正社員、パート・アルバイト、派遣社員など、様々な形態があります。

就職状況は、どのような場所での仕事を望むかで大きく変わります。

例えば、有名店の場合、スタッフの入れ替わりはそれほど多くなく、仮に採用する場合も一度に採用する人数は限られているため、競争は激しくなります。

 

一方で、チェーン店のレストラン、給食センター、病院・介護福祉施設などは正社員として採用されやすい傾向があります。

時間に制約があったり、自由な働き方を望むならパート・アルバイトや派遣社員という形態も考えられます。

短期間で様々な実務経験を積むためにパート・アルバイトで複数の職場を経験し、その後、正社員採用を目指す方もいます。

また、派遣社員として働く方法もあります。短期、長期など希望に合わせた職場を紹介してもらうことができます。

調理師の年収・給料

調理師の年収・給料はどれくらいなのでしょうか。「賃金構造基本統計調査」の2019年(令和元年)のデータによると、

調理師(年齢43.8歳、勤続年数8.6年、10人以上の企業規模)の月額の給与額(きまって支給する元気員給与額)は、25万2600円、

年収に換算すると、303万1200円となります。これに賞与(年間賞与その他特別給与額)38万2200円を加えると、

年収の合計は、341万3400円となります。

 

統計の数字は、あくまでも平均なので、実際の給与は職場によって異なります。

繁盛店、人気店の調理師、大人数の食事を用意する調理場を統括する調理師は、相応の年収を得ることになります。

 

引用:政府統計の総合窓口(e-Stat)より「賃金構造基本統計調査令和元年以前 職種DB第1表」

https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003084610

調理師のやりがいは?

調理師という仕事のやりがいや魅力はどのようなものでしょうか。一般的には以下のようなことが考えられます。

・多くの人に喜んでもらえる

・技術を磨けば独立のチャンスがある

・技術があればどこでも仕事ができる

・海外にもチャンスが広がっている

私たちが生きていくうえで欠かすことのできない「食」にかかわり、自分が作った料理で多くの人に喜んでもらえることが、

調理師のもっとも大きなやりがいではないでしょうか。誕生日や結婚式など、人生の大切なイベントにも料理は華やかさを添えます。

また、経験と実力を身につければ独立のチャンスも広がります。自分のお店を持ち、こだわりの空間で、自分の料理を提供することもできます。

調理師の大変さは?

調理師の仕事には大変なこともあります。具体的に見ていきましょう。

・拘束時間が長くなりやすい

・アシスタント的な期間が長い

・体力が必要

・人間関係の悩みが生じやすい

調理師の仕事は、営業前の食材の仕入れからはじまり、営業終了後の片付けや翌日の仕込みを済ませるまでと、長時間に渡ります。

勤務時間以外にも、自分でメニューを考えたり、調理技術を磨くための練習などを行う場合もあります。

また、古くから続く徒弟制度の考え方や習慣がまだ残っており、実績のあるシェフのもとで修行を積むという考え方から、

アシスタントとしての期間が長くなってしまうこともあります。

 

また、調理師の仕事は朝から夜まで立ち続けて仕事をする体力のいる仕事です。一日中、重いフライパンを振ったり、大きな鍋と扱ったり、ときには食材を運ぶなど、体力がベースの仕事で、やけどや切り傷などがつきものです。厨房という限られたスペースで、スタッフが密接に連携して仕事をする必要があるため、人間関係のトラブルが生じやすい面もあります。大きなやりがいがある一方で、大変さもあることは頭に入れておきましょう。

調理師に向いている人の特徴

 

調理師に向いている人は、どのような人でしょうか。

料理の種類や働く場所によって調理師に求められる資質や特性も異なりますが、特に代表的なものを挙げていきます。

味に敏感な人

味に敏感なことは調理師に欠かせない資質です。飲食業では、多くのお客様に毎日、安定したクオリティで料理を提供する必要があります。

気温や水温、材料や体調など、様々な条件・環境が変化する中で、細かい調整を行い、求められるクオリティをクリアしたおいしい料理を提供できる能力が調理師には必要です。

こだわりを持っている人

世界中には数え切れないほどの料理があります。また料理の歴史は人類の歴史と同じだけあるともいえます。料理の世界の広さ、奥深さは私たちの想像を超えています。そんな料理の世界で仕事する調理師には、こだわりが欠かせません。調理師といっても、仕事環境によって、食材、調理手順、一度に提供する数などは大きく異なります。どんな状況でも、おいしいものを作りたいというこだわりが調理師には必要不可欠です。

切り替えの早さ

「こだわり」と相反する特性ですが、調理師には切り替えの早さも重要です。お客様はお腹を空かせた状態でお店に足を運んでくれます。

たとえ失敗やトラブルがあったとしても、すぐに切り替えて、次の料理に取り掛からなければなりません。

また手順に失敗したとしても、それをリカバーできる臨機応変さが必要です。仕事はどんどん前に進んでいきます。

失敗してもクヨクヨせず、次の仕事に向けて気持ちを切り替え、ポジティブに取り組んでいける能力は調理師にとってプラスになります。

調理師になるにはどうしたらいい?

調理師になるには、大きく分けて2つのルートがあります。

大学・専門学校

1つ目は、大学や調理師専門学校で学んで調理師資格を取得する方法です。厚生労働大臣から指定を受けた調理師施設(大学や調理師専門学校など)を卒業すれば、試験を受験しなくても、自動的に調理師資格を取得することができます。専門学校の課程にはさまざまな過程があり、1年制、2年制、さらには4年制のコースもあります。働きながら通うことができる夜間コースを用意している学校もあり、条件に合わせて最適な学校を選びましょう。

実務経験を積む

2つ目は、実務経験を積んで、国家試験を受けるルートです。調理師試験の受験資格としては、2年以上の実務経験が必要になります。

大学や専門学校に通わず、働きながら調理師を目指す場合は、まず2年以上の実務経験を積みましょう。雇用形態は問われず、

正社員ではなく、パートやアルバイトでも問題ありません。ただし、その場合は「週4日以上、かつ1日6時間以上」勤務していることが必要になります。

試験を受験する際は、実務経験を積んだことを証明するために、勤務先の責任者が押印した「実務経験証明書(調理業務従事証明書)」を提出します。

調理師免許試験について

調理師の資格を取得するための調理師試験は、どのような内容なのでしょうか。

実務経験を積んで、調理師の資格を取得する際に受験する調理師免許試験について解説します。

受験資格

調理師免許試験の受験資格には、職歴に加えて、学歴の規定もあります。具体的に見ていきましょう。

・学歴:中学校卒業以上

・職歴:調理師施行規則第4条に定める施設で、2年以上調理業務に従事した者

 

第4条に定める施設とは、飲食店営業、魚介類販売業、そうざい製造業、複合型そうざい製造業、寄宿舎、学校、病院等の給食施設があげられています。

また正社員以外のパート・アルバイトなどであっても、週4日以上かつ1日6時間以上の勤務をしていれば、受験資格を取得できます。

詳細は「調理技術技能センター」で確認してください。

 

引用:公益社団法人 調理技術技能センター 令和4年度調理師試験

http://www.chouri-ggc.or.jp/chourishishiken/all_delegation/

試験範囲・試験内容

調理師試験の試験範囲・試験内容は以下のとおりです。

・試験範囲

・公衆衛生

・食品学

・栄養学

・食品衛生学

・調理理論

・食文化概要

上記6科目で全60問、マークシートによる四肢択一方式です。

合格ラインと合格率

合格ラインについては、調理技能技術センターのホームページには、以下のように書かれています。

・原則として全科目の合計得点が満点の6割以上であるものを合格とします。

・ただし、1科目でも得点が当該科目の平均点を著しく下回る場合は不合格とします。

つまり、合格するためには、6科目を平均的に正解しつつ、全体で6割以上の点数を獲得できればOKです。

合格率は例年60%台前半と、国家試験の中では、難易度はそれほど高くはありません。

将来どんな仕事がしたいかで進路を選ぼう

調理師は必要な知識を体系的に学習し、基本的な技術を身につけたい人にとってはおおすすめです。

一方で調理師試験に実技はなく、知識を証明する資格という意味合いが大きいことも事実です。レコールバンタンでは調理技術はもちろんのこと、お店を長続きさせるための秘訣や空間プロデュース力など、繁盛店に欠かせないスキルの習得にもチカラを入れたコースをご用意しています。現役で活躍するオーナーシェフが講師を勤めている点も大きな特長ですので、将来飲食業界で活躍したいと考えている方は是非こちらのコースも検討してみてはいかがでしょうか。

 

調理&フードブランドプロデュース学部:https://www.lecole.jp/faculty/chef-foodbrandproduce/course/course1.php

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