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2015.07.21東京
イベント
颯爽と現われた長身のシェフが、本日の講師。
「こんにちは、MORI YOSHIDAの吉田守秀です」
2013年にフランスパリにオープンした「MORI YOSHIDA」。
2014年にはフランスの「サロン・デュ・ショコラ」で外国人ショコラティエ賞を受賞するなど、
世界トップレベルのパティシエとして活躍されています
レコールバンタンでは、パティシエ学部で、パリの人気パティスリーや
ホテルリッツが手がける料理学校“エコール・リッツ・エスコフィエ”などで
実戦経験を積むパリ留学コースの開講を予定なのですが…
「MORI YOSHIDA」も、実地研修の受け入れ先の一つであることから
日本の教育機関で初めて、レコールバンタンにて特別授業を行ってくださいました
「お菓子って、昔からのレシピで作られている場合が多いんです。
でも、レシピ通りに作る必要はありません。
むしろ、するべき理由が見つからないことを僕はしません」
と断言
今回は、3つのお菓子を作ります!
どれもパリの「MORI YOSHIDA」で、実際に提供されているメニューなんですよ
Polonaise cassis(ポロネーズ カシス)
「残ったブリオッシュをどう再利用するか?そこから考えられたのがポロネーズ。
ウチの場合は残らないので、わざわざ焼くこともしばしばです(笑)
まず、ブリオッシュを高さ2.5cmに切ります」
ブリオッシュの真ん中をセルクルでくりぬきます。
「シロップにはベルガモットオイルを隠し味に入れています。ブリオッシュにしっかりとしみこませて。
ちなみに、昔ながらのレシピではカシスではなく、オレンジが入っていることが多いです。
僕は、お客さんに興味を持ってもらうために、カシスにしました」
シロップをしみこませたブリオッシュ生地の上に、
クリームポロネーズ、ホールカシス、さらにブリオッシュ生地、
クリームポロネーズ、ホールカシス…の順に重ね、冷凍庫へ。
冷凍したポロネーゼに、「ナッペ」(クリームをまとわせること)をします!
さらに、アーモンドスライスとアンゼリカをあしらって完成!
装飾も、MORI YOSHIDAオリジナルです
続いては、
Paris-Brest(パリブレスト)
学生たちも、生地を作ります
1 しぼり袋の中に、パータシューの材料を入れる
2 天板に、まるぬきで丸をつけ、円の内側にしぼり出す
3 上からアーモンドをかける。これにより、食感も、見た目も美しく仕上がる
テーブルをまわり、「頑張ってるね!」とフレンドリーに話しかける吉田シェフ。
学生たちも、嬉しそう
「クリームには、重たくならないようレモンの皮をすり入れます。今日使うのは、ビオレモン」
その大きさに、参加者たちはビックリ
手に取った学生は「香りも違う……」と興味深そう。
Erable caramelize(エラブル キャラメリゼ)
「メープルシュガーも、こげる寸前がおいしい。なので、ギリギリのラインを追求しています」
調理室に、甘い香りがたちこめます
こげる寸前まで熱したメープルシュガーと、
少し温めた生クリームとを数回に分けて混ぜていきます。
エラブルキャラメリゼは、下から、パータシュクレ、ピストレブラン、
ムースショコラエラブル+ヌガチーヌ、5mm角のレモンが入ったシトロンコンフィ、
クレームカラメルエラブル、最後にスプリモでツヤを出して完成です
パリブレストの仕上げは、焼き上がったパータシューにクリームをはさみます。
デコレーションに細い枝を、ななめにあしらい…
粉糖をふって完成
「味がデザインだと考えています。自分が食べるならシンプルでいいけれど、
お客さんがどこかに持って行く時に、ウチのお店らしさが出ることを常に意識しています」
試食をしながら、シェフに質問をぶつけます。
学生
「パリで、勉強する時のポイントは何ですか?」
「まず、やることをリストアップする。フランス語はツールであり、
フランス人が何を考えているか知ることが大切
身を持って文化に触れて、フランス菓子のルーツは
こういうものからきてるんだなーということを知ると、新しいものを考えるのに役立ちます」
食べ終えて……
学生
「パリブレストのクリームは、濃厚だけどレモンの酸味がきいてて爽やかです」
学生
「ポロネーズも、カシスの風味が大人向けのスイーツだと思いました」
と、みんな感激!
授業後に、シェフに握手をもとめる学生も。
吉田シェフ
「昔のものを完コピするのは美学ではないんです。クリエイティブなものを創造すること、
新しいものを生み出すことこそがパティシエの仕事だと思っています」
レシピだけでなく、吉田シェフの哲学も、とても勉強になりますね!
お忙しいところ、ありがとうございました!