Toshi Yoroizuka オーナーシェフ・鎧塚俊彦講師が『タルト・ショコラ・エクアドル』と、カカオ農園を持つまでのストーリーを伝授!

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2019.07.30東京

授業/特別講師/講演会

Toshi Yoroizuka オーナーシェフ・鎧塚 俊彦講師が、1年の総合基礎科で特別授業を行いました!

 

レコールバンタンの2年制コースでは、入学後の半年間は総合基礎科として、製菓、調理、ドリンクを総合的に学び、

10月からは、パティシエ、カフェ・バリスタ、調理かの専門分野を選択します。

 

今回はより広い視野を持って選んでほしいということで、このような特別授業が設けられました!

 

「今回使うのは、自社農園で育てたエクアドルショコラ。カカオは、通常40分以上ローストしますが、これは5分と短く、味わいもいちばんやんちゃなヤツです」と笑う鎧塚シェフ。

鎧塚シェフ 「酸味が強い。フローラルな香りがするでしょう?発酵の香りもすると思います」

 

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また、生クリームをたてるときは……

 

鎧塚シェフ 「グラン パティシエコース(#1)にも、たてる時に力が入って右肩が上がってしまっている学生がいます。早く動かしたいなら、力を抜いて」

「砂糖や小麦粉は卵白の泡を補強します。逆に油脂は、泡を壊すので混ぜれば混ぜるほど生地が死んでいきます。注意して」と手本を見せます。

 

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また、生クリームとチョコレートを合わせるときは温度が大事。温度計で確認しながら……など、一つひとつの工程を論理的に進める大切さを教えます。

できあがったのは、エクアドルショコラを贅沢に使った『タルト・ショコラ・エクアドル』!

 

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試食しながら、自社農園”Yoroizuka Cacao Farm”設立までの経緯についてうかがいます。

 

<Yoroizuka Cacao Farmが誕生した理由とは?>

鎧塚シェフ 「僕は活発だけど不器用な人間でした。普通の人と同じにしていたら、普通で終わってしまうなと感じていましたので、頑張らなきゃいけない!と強く強く思っていました」

その想いを胸に29歳で渡欧。ベルギーの三つ星レストラン等で研鑽を積み帰国します。

 

鎧塚シェフ 「店が軌道に乗ると、百貨店のバレンタイン等の催事に出させてもらうようになりました。

しかし、チョコレートに命をかけているショコラティエのチョコレートの方が美味しいのでは?と心の中では悶々としていました。お客さまには失礼な話ですが、そうした想いがあったので、ならば『畑からやれば何かが見えてくるのではないか?』と思ったんです」

 

2010年9月22日にエクアドルに約9000坪もの広さを誇るYoroizuka Cacao Farmを開設。しかし、安定した品質を維持するまでは困難の連続だったそう。

あるときは、近隣のとうもろこし畑に空中散布した農薬がカカオ農園に飛来。結果、日本に到着したカカオ豆がすべて焼却処分になる事態も……。

 

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<畑から作りあげたチョコレートは、いまやブランドの強みに>

手塩にかけたカカオは、現地でバナナの葉をかぶせて発酵、乾燥させます。カカオ豆が日本に到着した後は、オーブンでさっとロースト。

その後、唐箕(とうみ)を改造した機械にかけ殻と胚乳に分けます。最後に、いちばんの要であるロースト……と何段階もの工程を経ます。

 

鎧塚シェフ 「お客さまの口に入るまでの全部がしたかったんです。なぜなら、畑から作り上げているから今は自信をもって、お客さまに『食べてみてください』と言えるから。自分が納得するまで作ったんです、と言えるのはひとつの武器です」と力を込めます。

 

<大事なのは、ショーケースに、スタッフに、パワーがあること>

鎧塚シェフ 「カカオ豆と同じことは一夜城 Yoroizuka Farmでも行っています。味だけでなくショーケースのパワーが違ってきます。僕は、その店のショーケースからパワーを感じることが大事だと思っています。スタッフのパワーがみなぎっている店は活気があるし、ケーキ一つひとつが語りかけてきます。これはね、お客さまにもちゃんと伝わります」

 

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質疑応答では学生からこんな質問が。

 

Q.お店を持つうえでいちばん大事なことは何ですか?

鎧塚シェフ 「続けること。お金がたまったたらお店をやろうなんて思ってたらできへんよ!やると決めると、お金や人はなんとかなります。

あとは信念を貫くこと。15年前、白と黒のパッケージは『喪の色だからダメだ』と言われましたが今はそんなこと気にする人はほとんどいません。カウンターでデザートを提供するスタイルも『客単価はラーメン屋で、回転率は寿司屋だからやめとけ』と言われました。確かに、単体での儲けは薄いが派生して儲けには繋がります。自分のしたいことをやっていくほうが後悔しません。失敗したって命まで取られません」

と、一人ひとりに語りかけていきます。

 

学生たちも真剣な表情で、うなずきながら聞いていました!

 

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感想を聞いてみると...

「自分のカカオ農園を持っているなんてスゴいと思いました!」

「ガナッシュを食べて、最初の舌ざわりから酸味を感じました。インパクトのあるカカオでした」と、良い学びを得られた様子。

 

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トップシェフの言葉には、食の業界で仕事をしていくのに大切な気概やマインドなど、とびきりのヒントが満ちていました!

 

#1)グラン パティシエコース……「Toshi Yoroizuka」オリジナルレシピの習得、農家と取り組む農場実習、国内外のパティスリーでの現場実習を通じた徹底的な人間教育をベースにした2年半のコース

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