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2021.08.04東京
授業/特別講師/講演会
東京 恵比寿の人気イタリアン「Sel Sal Sale(セルサルサーレ)」
オーナー濱口シェフによる「キッチンオペレーション」授業をレポートします
キッチンオペレーションは、現場の厨房を想定して調理の流れをつかむ授業
今日は、ベジタブルグラタン、チキンの香草パン粉焼き、ビシソワーズの3品を作ります。
まずは「ホワイトソース」、「ビシソワーズ」を同時進行で仕上げます。
<ホワイトソース>
「ベシャメルソース(=ホワイトソース)は、焦がさないように!」と濱口シェフ。
学生たちは汗をかきつつ、ホワイトソースを熱し仕上げていきます。できあがると…
「みんな、味見して!」と学生たちにチェックをうながす濱口シェフ。
理想の味付けとは、どのようなものでしょうか…?
「口に入れた瞬間にうま味を感じられるのが理想です。最初に塩みを感じるようだと、食べ疲れしてしまいます」
また、同時進行で炒めていた野菜を、グラタン皿に盛り付けていきます。ブロッコリーやナス、ズッキーニなど複数の野菜を使い彩り豊かに
<ビシソワーズの味付けのポイントは?>
続いてはビシソワーズ。20分ほど煮込んで、メークインが軽く押して潰れるくらいになったらブレンダーで攪拌し、なめらかなピューレ状にします。
次に、ビシソワーズをボールに入れます。さらに大きなボールに氷を入れ、ビシソワーズが入ったボールを冷やしながら味の調整を行います。
ここでも、重要になるのが味付け。牛乳と生クリームで仕上げていきます
濱口シェフ「シュエした野菜の甘みや、うま味を感じる?最後に塩みがあるとベスト。
コクを強く感じるなら牛乳を入れて。もしもコクが足りないなら少し砂糖を入れてもいいです」とコツを伝授。
「レストランだと高いブランデーを数滴入れることもあるよ。
ここまでの味付けを現場では1分程でしなくてはいけないので手際よく進めて。
『どう思う?』と逐一クラスメイトに尋ねるのではなく、自分がどう思うのかを早く確立してください。
自分の中に、味付けの判断軸を持って。
そのためには普段から『味の言語化』をしていって」と助言しました。
<チキンの香草パン粉焼き>
続いては、メインのチキン香草パン粉焼き。
「調理工程は、皮目をポワレしてさらにディジョンマスタード、パン粉を塗ってオーブンに入れて加熱します」
ディジョンマスタードはパン粉、ニンニク、パセリ、ドライマジョラム、パルメザンチーズ から成り、重層的な味わいが楽しめます
まずは、鶏肉の下処理から。
「中央の大きな脂肪は、落とします。逆さ包丁で取り除いてください。肉に細かな切り込みを入れろ、という講師もいるかもしれないけれど、
うま味を逃したくないので傷はつけないほうがいいと思います。言われたことをうのみにするのではなく、自分でも考えながら調理してください」
「塩をふるときは、親指から中指の3本指で持つクセをつけて。高い所からふると均一に落とすことができます」
焼く時のポイントは……
「使うのは鉄のプライパンです。皮目をパリパリに仕上げたいよね?
フライパンから若干の白い煙が出ている温度帯をキープして。皮目を下にして焼きます」とアドバイス。
余分な油が出てきたらキッチンペーパーで拭き取ります。
「この油が上質なものなら他に使う手もあります。
今日使っているのは、ブロイラーの冷凍鶏肉なので油は捨てます。ちなみに日本三大地鶏は?」と、調理しながら問いかけます。
学生「名古屋コーチン、比内地鶏、薩摩地鶏」
濱口シェフ「徳島の阿波尾鶏も覚えておいて!」
話をしているうちに、肉の周りが白くふっくらとしてきました。
「トングで皮目を確認して、最後15秒くらい強火にします。あとはディジョンマスタードを塗ってオーブンで仕上げます」と、ムダのない工程を教えました。
学生たちも早速調理に取りかかります。
出来上がり
参加した学生は「お店で活躍されているので、濱口シェフの技術は信頼できます。鶏肉の処理の仕方や焼き方なども復習していきたいです」と話します。
まとめると…
□講師に言われたことを鵜のみにするのではなく、一つひとつの調理工程の「意味」を考えながら動く。
□日頃から、味を言語化することが大事。自分の中に味の「判断基準」を持つ。
これらを心がけると、プロの意識も技術力も養われそうです