- 製菓・カフェ・調理専門の学校【レコールバンタン】/
- トピックス/
- 学校ブログ/
- 日本を代表するパティシエ「ASTERISQUE」和泉 ...
2017.03.13東京
授業/特別講師/講演会パティシエ実践デビュープログラム
「では、イチゴを並べていきます。スペースができてしまったときは、イチゴをペティナイフで切って隙間なくしましょう」と、和泉シェフ。
ここで、和泉光一シェフのプロフィールをご紹介します。
2005年 ワールドショコラマスターズ日本代表、総合3位。
2006年 WPTC日本代表キャプテンを務め、2012年代々木上原に「ASTERISQUE」をオープン。
芸術的なフォルムと繊細な味わいのスイーツは国内外で高い評価を得ています。
今回習うレシピはみっつ。
1.フレジエ、
2.フロランタンショコラ
3.ガトーフレーズ(デモンストレーション)です。
「フレジエ」に使うイチゴを、高速でしきつめていく和泉講師。
学生「すごい量!」
和泉講師「薄いイチゴがペロッっと入っているのはイヤなんです。なんでも、ぎっしり入っているほうが美味しいです。
鶏の唐揚げを頼んで、鶏の『皮』揚げがきたら、ガッカリするでしょ?」と、ユーモアをまじえながら作業を進めていきます。
実は、伝統的な「フレジエ」を提供しているパティスリーは関東近郊でもごくわずか。
その理由は?
和泉講師「単なるショートケーキをフレジエと呼んでいるお店もあります。伝統的には、フレジエには生のイチゴと、バタークリームを使わなければなりません。フランスにはもともと大ぶりのイチゴを食べる習慣はなかったので、スペイン産のイチゴが入ってきた時期だけに食べられる限定メニューでした。イメージとしては、タルトタタンなど家庭料理に近いものなんです。
また、日本では関東以外のエリアでは『バタークリームは美味しくない』という固定概念や抵抗感を持っている人が多いです。そのため、カスタードで代用しているお店も多いですね。
僕は、正しいことを伝えたいと思っています」
デモの後は、実習!
グラニュー糖と水を118℃で煮詰めたものを、卵白と合わせて角がたつまで泡立てます。
「ムラング イタリエンヌ」ができたら、同時に進めていた「クレーム オブール バニーユ」を合わせます。
スタンドミキサーで、混ぜ合わせながら
「シェフのは、もう少し柔らかくなかった?」とテクスチャーを見極めていきます。
そして、ビスキュイピスターシュの上に、バタークリームをしぼっていきます。その上に、先ほどのデモンストレーションに習って、イチゴを隙間なく並べていきます……。
和泉講師「お店では、この状態で一晩じっくり寝かせます。バタークリームにイチゴの香りがうつることと、バタークリームとイチゴが固まってキレイに切れるから」
続いては、ショートケーキのデモンストレーションへ……。
和泉講師「高脂肪の生クリームは、必ず一部だけたてます。パレットに触れただけで泡立ちます」
また、三段に切ったパータ・ジェノワーズ(スポンジのこと!)の真ん中を、いちばん上に並べかえることで、ふわふわの食感かつ切れやすくなることや、ナッペの極意まで……
次々に、巧の技を披露!
デコレーションにもバリエーションがあることを解説。
「同じホールケーキでも飾り付けによって印象が変わってきますよね?
2社めに就職したのが、ウェディングの会社だったので、そのときに多彩なしぼりを覚えましたね。
ナッペこそ、数がものを言います。100台やったら100台分の、1000台なら1000台作った実力がつきます」とアドバイス。
最後に、フロランタン ショコラの仕上げに取りかかりました!
5.5cm角に切り分けていくものの、固くて苦戦する学生もいましたよ。
授業を終えて……
「フロランタン ショコラを作るのは初めて。シェフの手際の良さと圧倒的なスピードに驚きました」
「他のシェフよりもとってもフレンドリーで、分かりやすかったです!」
「塩の種類から、素材のことまで基礎から教えてくれました」
「来年から就職します。レストランで皿盛りのデザートを担当するのですが、組み立て方や、素材の温度管理など、細いところまで考えていらっしゃって勉強になりました。今日は、学生最後の授業なので感慨深いです」という声も!
「本物が伝われば嬉しいですね」と、和泉講師。
和泉シェフ自身も、フランスでクラシックなものから若手シェフのスイーツまでを食べ歩き、
毎年インスピレーションを得ているそう。
「自分はこういうテイストでは作らないなと感じるものもありますし、作り手のメッセージを感じて心を動かされることもあります。そういう発見が刺激になっています。守りに入らず、そうした開拓を続けていきたいです」
トップパティシエとして走り続ける和泉講師。
その後ろ姿から、学生たちも多くのことを学んだようです。