『LA BETTOLA da Ochiai』での特別授業!イタリア料理の伝道師・落合 務シェフが教える人気イタリアンとは?

このエントリーをはてなブックマークに追加

2018.11.21東京

授業/特別講師/講演会

「37年前、日本にリコッタチーズはありませんでした。バジリコもなければズッキーニもない。でも、楽しかったですよ。工夫できたんです」と、穏やかな口調で語りかけるのは、イタリアンを日本に広めたといっても過言ではない、落合 務シェフ

 

今回のグラン パティシエコースの授業は、教室を飛び出して銀座の『LA BETTOLA da Ochiai』へ!

学生たちは、お料理だけでなく、シェフ独自の哲学をうかがいます。

 

▼LA BETTOLA da Ochiai

http://www.la-bettola.co.jp/restaurant/ginza.html

 

0102_DSC_8386.jpg

0012_DSC_1130.jpg

 

 

<1品目:自家製リコッタチーズのカプレーゼサラダ>

 

落合シェフ 「1Lの牛乳を買えば、リコッタチーズを230gくらい作ることができますよ。これをモッツァレラの代わりに使ってもいいですね。トマトのパスタに混ぜてもいいですし、生ハムの上にちらしてもおいしいです」

 

0018_DSC_1144.jpg

 

トマトの上にリコッタチーズを盛りつけ、塩こしょう。

バジルをちらしてオリーブオイルを回しかければ<自家製リコッタチーズのカプレーゼサラダ>のできあがり!

 

0022_DSC_1162.jpg

0026_DSC_8242.jpg

0070_DSC_8326.jpg

 

 

さて続いて、2品目に取りかかります。

 

<カルパッチョ・ディ・ペッシェ>

※ペッシェは魚という意味

 

白身魚を2mmほどの厚みでななめにそぐように切り、お皿に並べて塩・こしょうをします。

 

0030_DSC_8257.jpg

0037_DSC_8267.jpg

 

上に、極薄に切ったマッシュルーム、角切りにしたトマトをちらし、塩をふりオリーブオイルをかけます。

さらに、白髪ねぎを中心にふんわりとのせて、万能ねぎをちらします。仕上げにオリジナルソースを細長くしぼり飾れば完成!

 

0057_DSC_8296.jpg

0069_DSC_8324.jpg

 

ご自身がイタリアンレストランを開店する経緯のお話をしてくれつつ、

2品に加えて、おまけでイタリア人の大好物『スプーマディ・マスカルポーネ』も作ってくださいました!

 

0081_DSC_8349.jpg

 

落合シェフ 「10代のときから西洋料理をやりたいと思って、ホテルに入社しました。当時は、西洋料理といえばフランス料理。参考書を買って、勉強しましたね。ホテルでは毎日、本に載っている料理が出ていましたが、『フランスに住む人たちは、こんなご飯を毎日食べているのかな?』という疑問は持っていました」

 

26歳のときに、先輩に誘われて町場のレストランに転職。1970年初頭にフランスに1ヶ月半行くというチャンスを得ます。

落合シェフ 「一生懸命働いていて、社長のご好意で行けることになったんです。帰国する前に3日間だけイタリアによりましたが、そのときは綺麗な店にいっても出てくる料理は粗野な印象を受けましたね」

 

帰国後、予想外なできごとが。なんと、イタリア好きの社長から、イタリア行きを命じられます。

落合シェフ 「周りからは、『イタリアに行ってどうするんだ?つぶしがきかなくなるぞ』と言われました。俺も、人生が狂うなと思っていましたが、行ったら本当に楽しかったです」

 

イタリアの数々のレストランで修行。その中で感じたことは……

「日本では完全な縦社会で、先輩よりも早く後輩が帰るなんて考えられなかった。でも、イタリアは違いました。例えば洗い場のおじちゃんが先に『チャオー!』と帰ってしまう。厨房では、みんなでご飯を食べるし、人と人との付き合い方がとても平等だったんです」

 

0078_DSC_8339.jpg

 

帰国後は、実力が認められ、1982年5月には100席のレストラン「グラナータ」オープンを一手に任されることに……

 

落合シェフ 「でも、日本のお客さんたちはアルデンテなんて知らなかったんです。なので、『こんな固いパスタ、食べられるか。うちの女房のほうが上手に茹でる』と言われて。でも、社長は『本場イタリアの調理法を変えるな、やわらかく茹でるな』と。板挟みですよ。何度も胃潰瘍になりました」と、苦労話も。

 

と、ここで『スプーマディ・マスカルポーネ』が完成!

 

0084_DSC_8353.jpg

0095_DSC_8373.jpg

 

 

ここからは、試食をしつつ落合シェフとの歓談タイム♪

 

落合シェフ 「……そんな訳で、帰国後に勤めていたレストランは始めは暇でしたね。あるとき、イタリア人のお客さんが来て、この店はおいしいのに、なぜこんなに空いているのかとたずねられました。事情を話すと、その方はイタリア政府観光局の方で、たくさんのゲストを連れてきてくれるようになり、予約が取れない店になった。あの出会いがなければ、今の僕はありません」

 

落合シェフは「社長には、とても感謝しています。イタリアの文化を、日本人である私たちが曲げてはダメだと教えてくれた」と振り返ります。

 

0109_DSC_8404.jpg

0104_DSC_8393.jpg

 

その後、独立され1997年に『LA BETTOLA da Ochiai』をオープン。現在では、日本イタリア料理協会会長を務めています。

そのお話は、まさに日本におけるイタリア料理発展の歴史でもありました。

 

「イタリア料理って簡単でいいでしょ?(笑)人を笑顔にできる仕事って最高だよね」と、締めくくりました。

落合シェフ、貴重なお話をありがとうございました!

次の記事を見る

前の記事を見る

よくある質問

オープンキャンパス2018

Instagramバナー

TikTok

バンタン国際製菓カフェ和洋調理学院

イベント情報