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2018.10.29東京
授業/特別講師/講演会
「レストランのサービスをしています。皆さんにお伝えしたいことは、飲食業界がどれだけ楽しいかということ。そして同時にどれだけ厳しいかをお伝えしていきます」
と切り出したのは、サービスのプロフェッショナル・宮崎 辰さん。
『食は人を幸せにする〜飲食サービスの本質〜』と題した特別講義を、3回にわたって行っていただきます。
宮崎さん 「もともと料理人を目指して調理師学校に進みましたが、あるときレストランサービスに転向しました。それまで、単純にお皿の上しか見ていないことに疑問を感じたのです。
料理は、五味(酸味,苦味,甘味,辛味,塩味)を駆使してお客さまを満足させますが、それ以外にもうひとつ大事なものがあります。何だと思いますか?
それは人間味。例え、そんなにおいしくなくても心がこもっていると、とてもおいしく感じられますよね?人間味は、いちばん大事なものです」
その考え方を育んだルーツは、ご自身の幼少期にあるそう。
宮崎さん 「母は専業主婦で、毎日ご飯もお菓子も手作りしてくれました。誰かのことを心から思って作る料理が、いちばんおいしいのかもしれませんね」
<メーテル ドテルという仕事とは>
宮崎さん 「メーテル ドテルという職業は、古くは、お城の主人に代わって館内で行われる催事でのサービスマン。現代では、レストランの演出家であり司令塔です。スタッフのケアも大事で、彼らが体調を崩していないか、密にコミュニケーションを取るのも私の仕事です」
また、サービス中は、五感だけでなく想像力もフルに使うという宮崎さん。
宮崎さん 「例えば、お客さまがコースメニューでお肉が召し上がれないとしますね。そこで、『代わりに、何ができるかをシェフに聞いてきます』というのは二流のサービスマンです。その場でお客さまに、代わりのお料理を提案する。それはなぜか?
事前に打ち合わせをして、食材の在庫を知り、原価を把握し、シェフの腕を知っていれば、その場でクリエイティブに料理を提案することもできます」
また、おもてなしだけではなく、サービスを入れることでビジネスとして成立するため、おもてなしとサービスをミックスさせることが重要だと強調します。
<サービスとは、お客さまにありがとうとを頂くこと>
宮崎さん 「人は、誰かに喜んでもらう為にうまれてきます。人間の役割は、誰かに喜ばれるという一点にあります。そして喜ばれるために仕事という手段があると考えています。行為、好意、厚意へ対価が『ありがとう』です。ありがとうの一言が、人を成長させます。お客さまが料理人やサービスマンを育てると言ってもいいでしょう」
他にも、「相手に対して敬意を払わないと相手に敬意を払ってもらえない」という人間としてのあるべき姿にも言及。
宮崎さん 「皆さんは、飲食業製造業ですがサービス業です。目的を一言で表現するなら?それは、ありがとうと喜ばれることに尽きます。誰かの喜びのために自分の時間を使うと考えてください」
<情報を正確に伝えることの難しさ>
後半は、あるイメージを見て、他者に言葉のみで伝えるというレッスンにも挑戦!しかし、身振り手振りはNG!
ふたり一組になって、どれだけ正確に伝えられるかに挑みます。
宮崎さん 「伝えるときに、何がいちばん大事かというとジェスチャーなんです。次に声のトーン、そして話し方。言葉そのものだけで伝えることはとても難しいんですよ」と解説。
サービスという無形のものを、いかに届けて、お客さまから『ありがとう』をいただくか。その本質は、サービスマンだけでなく、すべての職種に通じるものがありました。
講義を受けて、学生たちがどのように成長していくか楽しみです!