- 製菓・カフェ・調理専門の学校【レコールバンタン】/
- トピックス/
- 学校ブログ/
- バレンタインシーズン直前★グランパティシエ学科2年生 ...
2020.02.10東京
授業/特別講師/講演会
「すべての指示を出すつもりはありません。やるべきことが分かっているなら、どんどんやっていって!」と、声をかける鍋田 幸宏講師。
鍋田講師は、2011年に<クープ・ド・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー>日本代表キャプテンを務めるなど、レコールバンタンでも一目置かれるパティシエです。
今日は、レコールバンタン・グランパティシエ本科のチョコレート販売実習の1週間前。
学生たちは、売り出すチョコレートの仕込みを行っています。
ある統計によれば、日本のバレンタイン市場はいまや1300億円規模とも試算されていて、パティシエを志す学生たちにとっても気合いの入るシーズン!
今回はチョコレートを仕込む学生たちの様子をレポートします。
<チョコレートの"テンパリング"を取る>
そもそも"テンパリング"とは……?
温度調整のことでチョコレートに含まれるカオバターを分解して、安定した細かい粒子に結晶させること。
テンパリングを取ることで、なめらかな口当たりチョコレートになります。
ヘラでチョコレートを混ぜる学生に・・・
「ムラをなくすために、ボールを回しながら混ぜなさい」とアドバイスする鍋田講師。
「実はテンパリングの取り方はチョコレートの種類によっても異なります。一般的に、ビターチョコレートは湯煎で50〜55度まで温度を上げて、27〜28度まで下げることで口溶けが良くなります。質感は、サラサラしつつも少しもったりとした感じ。このテクスチャーを覚えられるようになるといいですね」と、サポートの在原講師。
学生たちは、みんな真剣な表情でテンパリングを取っています。
温度を下げるときは、チョコレートが入ったボールを冷水のボールに入れます。
温度計でこまめに温度をチェックするのもポイント!
鍋田講師 「テンパリングが取れたら、最後にカード(#1)に少量取って固まるかどうかを見てください。毎回必ずチェックして」
テンパリングを取り終えた後は、自分たちの作業効率を振り返ります。
鍋田講師 「今、テンパリングに何分くらいかかっている?」
学生 「20分間くらいです」
鍋田講師 「15分くらいで取れるようにならないとダメだよ。チョコレートの温度が下がらないのは、冷水につける時間が短いのか、それとも水温そのものが低いのかのどちらか。もっと効率を重視して、手際良くやりなさい。自分のペースで仕事をしてはダメだ」
と、活を入れます。
「はいっ!」と、元気良く答える学生たち。
2年生は就職活動を行う学年ということもあり、現場と同じ緊張感をもって動くことが求められます。
後半では・・・
<チョコレートのデコーレション実習>
鍋田講師 「チョコレートで、花びらと葉を作ります」
1.透明なフィルムを出します
2.ナイフの先端にチョコレートをつけます
3.ナイフの”え”の部分をトンとテーブルにつけてチョコレートの厚みを均一にします
4.フィルムに等間隔で押し付けていきます
鍋田講師 「先端を軽くおさえたら、スッと引くイメージです」
次は、植物の葉を作ります。フィルムの上に、楕円形にチョコレートを広げてから、指で葉っぱの形の輪郭をとり整形していきます。
これを”トヨ型”と呼ばれるケーキを焼くときに使う型に、添わせて乾かせば丸まった形の葉が完成!
他にも、『カカオ豆』や『ネジ』もお披露目!
どちらもチョコレートとは思えない精巧な作りです。
「チョコレートを流す型はプラスチックでもいいし、型そのものから手作りしてもいい。自分が作りたいものから逆算して考えて」と鍋田講師はアドバイスします。
こうしたチョコレートデコレーションは、店頭での飾りにピッタリです!
さらに、終盤には仕込んだチョコレートを袋詰めしていく作業も行いました。
高林さん 「これは『オランジェット』です。オレンジピールにチョコレートをたっぷりとからませたものです」
細いチョコレートなので、ピンセットを使って、金台紙と共に袋に詰めてきます。
「『マンディアン』には、ヘーゼルナッツ、フィグ(イチジク)、食感がいいパールショコラを入れました」と中澤さん。
さらにボンボンショコラも試作し、チョコレートの集中特訓となりました。
販売実習ではたくさんのお客様に笑顔になってもらえるようにがんばりましょう♪
#1 カード……調理器具の一種。スケッパーとも呼ばれる。