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2020.08.01東京
授業/特別講師/講演会
飲食業界で求められるスキルは様々ですが、そのひとつに撮影技術があります。
「えっ!?」と意外に思われた方も多いのではないでしょうか?
SNSの浸透によって、いかにお店の魅力を発信できるかが重要な要素になっています。
今回、フード撮影のポイントを教えてくださるのは、株式会社グラフィー代表・新井達也講師。
これまでに撮影された店舗は500以上、累計10,000品を超えるという現役プロフェッショナルのフォト&ビデオグラファーです!
新井講師「自分は、飲食店さんにすごくお世話になりました。なので、少しでもその恩返しをしたいんです。
ここにいる学生たちが晴れて独立したら、きっと自分のお店のフードメニューを宣伝したいと考えるはず。
でも、日替わりメニューを、毎日プロに撮影してもらう訳にはいかないですよね。
撮影スキルがあれば、自分自身で情報を発信することができます!」と、力を込めます。
まずは、講師の作例から。
1.クライナーファイグリング
「ヨーロッパで人気のパーティドリンクです。宝箱のようなイメージで、中にはワイヤーLEDライトを仕込みました。
光を工夫するだけで、華やかな印象になりますね。」
2.サラダにチーズをふりかけて
「サラダに、すりおろしたチーズをかける写真です。サラダ単品で撮るよりも、『動き』が出て躍動感が増します。」
3.大事なのは「照り」
「このチーズを使った料理は、普通に撮影すると表面の照りが足りないんです。なので、表面にオイルを塗って照りを出しています。」
4.アイスは時間との勝負!
「アイスは、とにかく時間との勝負なので、あらかじめどこに何を置くかという構図を決めておきます。
それでも、左にあるアイスは若干溶けていますね。スピーディに進めることが大切です。」
5.ターゲットは明確に
「こちらのハンバーガーは男性向けのイメージで撮影しています。これが女性向けのメニューなら、写真の雰囲気を変えます。
誰に向けた商品なのか、ということは常に意識しておくといいと思います。」
<料理の高さによって、角度を変える>
「知っておくと便利なポイントがあります。
それは、料理の高さによって、角度を変えること!
例えばですが、スキレットに入っているこの料理は、高さがないので、真上から撮影すると絵になります。ピザも真上から撮影することが多いですね。
対して、ケーキ、ハンバーグ、ドリンクなどある程度の厚みがあるものは、斜め45℃くらいから撮影するといいですね。」
また、被写体を真上から撮ることを真俯瞰(まふかん)、斜めから撮ることを斜俯瞰(しゃふかん)と呼ぶそう。
<課題1>
「チーズケーキを美味しそうに撮影してみましょう」
「Foodie(フーディー)」というスマホアプリを使って、一人一品ずつ撮影していきます。早速、スマホ片手に課題に取り掛かる学生たち!
「どこで撮影しようかな?」
「ベランダの緑を使いたいな…。」
「あっ!太陽が出てきたから外で撮影しよう!」と、思い思いの場所で撮影します。
中には、自分の着ていたクロシェ編みのカーディガンをランチョンマットにして撮影する学生も!
新井講師も「おっ!いいアイデアだねー!」と感心していましたよ。
できた写真をチェックし、講師が個別にフィードバックしていきます。
緑色の植物を背景にした写真には……
「映像としてはとてもキレイ。でも『売りたい』という視点だと、結果は違うものになると思う。
チーズケーキの美味しさをしっかり伝えられているかを考えて。
森の中で撮影しているような雰囲気は伝わっているけれど、見た人が『食べたい!』って思うようにね。」と、優しくアドバイス。
<課題2>
「皆さん、なかなか上手でしたね。次はいくつかポイントを意識して撮影しましょう。
- ズームを使う
- お皿を切り取る
- 正方形で撮る
- 小道具(フォーク等)が目立つ場合は奥に
これらのルールを守って撮影してみましょう!」
「フォークがあるだけで難易度が上がるなぁ…。」と試行錯誤する人や、
「秤(はかり)とか、洋書があったら華やかになるかな?」と小道具を試す人も!
新井講師も、「すごくいいのが撮れたねー!」「学んでいるねー。」と、一人ひとりに助言していました。
また個人課題の後は、チーム対抗で「パン撮影」にもチャレンジ。
色々な被写体で試すことで、撮影スキルをしっかりとレベルアップさせた様子!
新井講師「写真に大事なのは、構図、照明、そして加工です。スマホでいいので、
是非これからも撮影を続けていってください!」と締めくくりました。
独立する人だけでなく、就職したお店のSNSやHP更新にも活かせそうですね!