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2020.08.03東京
授業/特別講師/講演会
恵比寿のレコールバンタン・ボヌール校舎から、電車で約1時間50分。
栢山駅から歩いてすぐの場所に、グラン パティシエコースの学生が耕す畑があります。
収穫の季節を迎えて、2年生4名が訪れました。
<ファーム実習とは?>
グラン パティシエコース独自のプログラム。「FARM to TABLE. ―農場からテーブルまでー」をコンセプトに、
定期的に畑へ足を運び、自らの手で栽培、収穫を行います。農業の楽しさだけでなく、
大変さも知ることで、素材に対する理解を深めることを目的としています。
「やー!よく来たね」と、農園全体を管理する曽我さんが笑顔で出迎えてくれました。
作業を始める前に休憩室で着替えてから、虫よけスプレーと日焼け止めを塗って、いざ畑へ!
ニラ、とうもろこし、トマト、バジル、大葉などがすくすくと実っています!
しかし、同時に雑草も大量発生中……。
まずは、草むしりから始めます。
雑草を夢中で刈り取る4名の学生に、農業実習への意気込みを聞きました。
石崎さん「畑に来たのは、今回で3回目です。自分たちの畑なので、やる気になりますね。」
「前回よりも雑草が増えているかもしれないです。
私は鳥取出身なので、家の周りは田んぼ。なので、農業になじみがない訳ではないんですよ。
家にこもっているよりも外で動けるのは気持ちがいいです~!」と、ニコニコしながら手慣れた様子で草むしり。
「小学校の時、農業実習があったよねー。えっ、なかった?」と、明るくお喋りするのはムードメーカー千葉さん。
なんでも、小学1年生から6年生まで、農業実習があったそう。
「自分たちで田植えもしました。給食で、収穫したお米が出たこともありますよ!
土に触れるのは小学生以来なので、楽しいです!」
「無心になれるから、雑草を抜くのも面白いよね。」と、森さん。
山口県出身の森さんもまた、農業にはなじみがある環境だったそう。
「ウチの母が、たくさんの種類のフルーツを育てていました。ブルーベリー、キウイ、スイカ、イチゴ、リンゴ……。
おじいちゃんは土いじりが好きで、母も好きになったみたいです。」と
お喋りしながら進めると、あっという間に袋いっぱいの雑草が取れました!
草むしりをすると、お目当ての野菜たちがくっきりと顔を出します。
「まるで、ビフォー・アフターだね!よく、頑張りました!」と曽我さんもにっこり。
<いよいよ収穫!>
曽我さん「トマトの下にバジルがあるでしょう?バジルは、トマトにとってのコンパニオンプランツ。
違う種類の野菜を一緒に栽培することで、害虫の防除など良い影響がある植物のことです。
バジルは熱帯原産なので、水を好む性質があります。
トマトにも水は与えて育てますが、少し乾燥させた方が糖度は上がり甘くなる傾向があります。
コンパニオンプランツを一緒に育てることで、お互いが補完し合ってくれるという訳なんです。」
森さん「なるほどー!」
石崎さん「ピザとかパスタにも、バジルとトマトを一緒に使いますもんね。」
曽我さん「そうそう。緑色のトマトを軽く炒めて、オムレツにしても美味しいですよ。
私もね、朝にトマトオムレツを作って食べたりします。砂糖を入れてもいいですよ。
あとね、ここにある野菜は浅漬けにしても美味しく食べられます!」とアドバイス。
こうした何気ない会話から、調理の発想が広がります。
曽我さん「トマトが、赤くなっているでしょう?通常、お店で使うものなんかは緑色のうちに収穫して、
運送で2~3日経ってから赤くなる。だから畑で完熟するっていうのは、とても贅沢なことなんですよ。」
次は、とうもろこしの収穫。
人の肩ほどの高さにまで育ったとうもろこしを、もいでいきます。
「日本で栽培されているとうもろこしは、NON-GMO(非遺伝子非組み換え)ですが、
アメリカでは90%もの農家がGMOのコーンを栽培していると言われています。
自分が口にする野菜の『種』がどういうものなのか?考えてみることはとても大事ですよ!」と説きます。
普段、自分が食べている野菜の「種」にまで思いをはせることは少ないですが、こうした視点を得られるのもファーム実習ならでは。
曽我さん「とうもろこしをもぐ時は、まず触ってみること。中身が固ければ取っていいですよ!」
他にも、トマト、ナス、じゃがいも芋を収穫しました。
<井戸水で泥を落として……>
最後に、野菜を水洗いして、仲良く分け合います。
吉田講師「家では、どんな料理を作るの?」
千葉さん「ハヤシライスとかかな。野菜はスーパーで買うと高いので助かります。」
森さん「凝ったものは作りません。肉野菜炒めとか……自分が生きていくためのお料理なので、インスタ向けじゃないかも(笑)。」と照れ笑い。
2時間の農業実習を終えて、どの学生もとても充実した様子でした。
土に触れ、雑草を刈り取り、自分たちの手で食材を収穫することで、座学だけでは得られない知識や知恵を吸収することができます。
「畑からのお菓子作り」ができるパティシエとして、これからも成長していってくださいね!