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2021.05.11東京
授業/特別講師/講演会
専門部パティシエ学科2年次の製菓実習をレポートします
「レシピが重要な訳ではありません!レシピを知りたいなら、本や動画を見て作ればいい。
なぜ学ぶのかというと、色んな知識を組み合わせて自分の中のお菓子の次元を広げるため!能動的に動くことがスクールで学ぶ意味だと思います」
と語るのは、「BABON patisserie」オーナーシェフ牧野浩之シェフ
今日はメープルシュガーとメープルオイルを使った焼き菓子「ケック シュクレ エラブル エ ノワ」を教えていただきます
<牧野浩之シェフPROFILE>
(株)モンサンクレールにて 辻口博啓氏に師事。同社常務取締役
スーシェフを務めた後、乳業メーカーコーディネーター、ピエール・エルメ・パリをはじめとした都内パティスリーで研鑽を積み、
スイーツコンサルタントを経て2016年横浜市青葉区美しが丘に「BABON patisserie」を開業。
まずは、シェフのデモンストレーションからスタート
学生たちに「2年次に意識すべきこと」について語り始めるシェフ!
「僕は採用のコンサルティングに入ることもあります。
面接では『ウチの店のどこが好きですか?』など、あらかじめ想定できるような質問はしません。
用意された答えでは、その人の本質が見えないからです
例えば、『ハマっているアーティストは?』など、イレギュラーな質問を投げてみます。
1分間あげて、分かりやすく説明してもらうとその人の対応力や、言語化する力が分かります!
普段から『自分の言葉で説明する』力を養ってください!
知らない人に物事を伝えるとき、自分の中で対象を分解してから伝えますよね?
常に言語化する癖、数値化する癖をつけてください」と説きます
シェフのデモを見た後、学生たちも実習に入ります
二人一組でチームになり、仕込みを行います
生地ができたら絞り袋に入れ、パウンドケーキの型に絞ります!
牧野シェフ「生地の表面をならした方がキレイに焼きあがると思います
チームで、表面をならしたものと、そうでないもので焼き上がりを比べてみて」とアドバイス
続いて、「サブレディアマン ノア ココ」を仕込みます。20℃前後の、ポマード状にしたバターに、砂糖と塩を入れます!
今回は分量が少ないのでヘラとカードで仕込みます
よく混ざったら脱脂粉乳を入れます!
牧野シェフ「水分を吸ってダマになりやすいので注意してください。脱脂粉乳を入れると水分を加えずミルキーな仕上がりになります」
卵黄、薄力粉、ココナッツファインを入れて混ぜます
各テーブルをまわり、学生たちが仕込んだ生地をチェックする牧野シェフ
……と、そのときオーブンからメープルシュガーの甘い香りが立ち込め、「ケック シュクレ エラブル エ ノワ」が焼きあがりました
竹串を刺して、火の通りをチェックします
良いパウンドケーキは、どのような形なのでしょうか?
牧野シェフ「表面が山型に盛り上がっていて、表面が割れているといいです
膨らんでいるのは空気を含んでいる証拠。ただ、空気を含ませすぎるとパサついてしまうので、そのバランスは難しいです」
最後に、「ケック シュクレ エラブル エ ノワ」の仕上げ「クルミのシャリがけ」を仕込みます!
牧野シェフ「シャリがけは、銅鍋を使います。銅は酸化すると緑青というサビが出るので、これを落とすために塩と酢でしっかり洗っておきます」
- 銅鍋に水にグラニュー糖を入れ、火をつけます!
- 煮詰めていき、粘性が出たシロップをしっかりとクルミにまとわせていきます!
- 火を止め、シロップにクルミを入れます!クルミはあらかじめローストしておくことがポイントです
- 弱火でかきまぜます!
牧野シェフ「もっと火を入れるとキャラメリゼされます。これを盛りつければ完成です」
「なぜクルミを選んだのですか?」という学生からの質問に「メープルと相性がいいからです。アーモンドやピスタチオで作ってもいいですよ」と、
丁寧に答えるシェフ
お菓子を作る工程でしか分からない、質感や粘土といった「感覚」を、ぜひ自分のものにしていってくださいね