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2022.07.10東京
イベント
レコールバンタン東京校では、定期的に体験セミナーを開催しています
今回は、5月29日に実施したレコールバンタン専門部&レコールバンタン高等部の合同セミナーをレポート!
教えてくださるのは、「草片cusavilla」オーナー中東俊文シェフです
「受講生の皆さん、コックコートを着るのは、初めてですか?
コックコートは誇り高い制服で、王様の前に挨拶に出るときも着用が許されているんですよ。
私は、広尾で『草片cusavilla』というレストランを経営しています。
草片は、中国から日本に野菜が伝来したときの言葉です。お皿の上に自然の風景を表現し、食べる人の心と体が癒えたらと思っています」とご挨拶
今回、中東シェフに学ぶのは「ジャガイモとタコのサラダ」、旬のアサリを使った「ボンゴレスパゲティ」の2品です
<ジャガイモとタコのサラダ>
「まずは、ジャガイモを茹でます。小さく切っておくと早く火が通ります」
茹でている間に、ボウルに、
・EXヴァージンオリーブオイル
・ケッパー塩漬け
・赤ワインビネガー
を入れ、下茹でしておいたタコをあえます。
調理しながら…
中東シェフ「僕は京都出身なんですが、そのときに、地元の新鮮な野菜を食べて育ちました。
18歳でイタリアへ渡りましたが、現地で感激したのは野菜の美味しさでした。
そうした経験から、味の濃い野菜を作っている農家さんにスポットライトを当てたいと思い、自分のお店を持ちました」と、ポリシーを語ります
10分ほど茹で……「竹串を刺して、じゃがいもに火が通ったかチェックします」
火が通っていたらジャガイモを取り出し、ボウルに入れます。イタリアンパセリを加え、温かい状態で混ぜます。
理由は“浸透圧で味が入りやすくなる”から。手際よくサラダを盛り付けて出来上がり
続いて、メインのボンゴレスパゲティに取り掛かります!
<ボンゴレスパゲティ>
1. 平たい鍋にアサリ、白ワイン、オリーブオイルを入れ、沸騰するまで待ちます
2. アサリが開いたら、レードル(お玉)2杯分200ccほどの水を入れます。
3. 再びグツグツしてきたら、沸騰状態をキープしパスタを入れます。
4. 一口大に切ったトマトを入れます。味見をして、必要であれば塩を加えます。
「全体をからめたいときは、乳化させることが大切。本来は、混ざらない油と水をよくかき混ぜることで一体感を出すことです」
5. ゆで汁が白濁してきたら、火を止めて…
6. パセリ、ノンワックスレモンの皮を削って彩りを添えます。
「盛り付けるときは、くるりと巻きながらすると高さが出て、美味しそうに見えます!」とすぐに真似できるポイントを教えます
出来上がり!
講師のデモンストレーションを見たら、すぐに調理実習に取り掛かります
シェフの動きを間近で見ているので、初めてのメニューの調理も再現がしやすいです!
また、レコールバンタンでは「一人一製作」が中心の授業になっています。
これにより、グループで分担して作るのではなく全工程に責任を持って調理することで、実践的な技術が身につきます
フライパンの振りが見事な参加者に「ウチ、バイト募集してるんで!……って、
中学生に声を掛けたらあかんな~(笑)」と、中東シェフが冗談を言う場面も
在校生メンバーが補助してくれるので、初心者さんも安心して実習に集中できます!
どれも美味しそうな出来栄え
試食をしながら、シェフに気になっていることを質問します
――― 料理を始めたキッカケは?
「ウチは特殊です。親の代から料理家で、中3のときに父が独立したので店を手伝っていました。
いつか料理人の道を行く、というのは小さい頃から明確でした」
――― 仕事をしていて良かったと感じることは?
「40年の歴史を振り返ってみて、幸せと感じるのは人とのお付き合いですね。今、コロナ禍が少しあけて、お店が忙しくなってきたんです。
人手が足りないときに、お店のOBやOGが手伝いに来てくれました。また、お客さんから京都にお店を出さないかと声をかけてもらったりします。
そんな風に、人との付き合いが蓄積していくのが、嬉しいです」
――― 仕事の大変さは?
「飲食業界は大丈夫なの?と感じている人、業界を心配する親御さんもいらっしゃること。
この不安を解消していくことが、自分たちの課題だと思っています。
僕は、飲食業界は日本を支える業界だと思っています。
世界経済フォーラムが発表した『観光魅力度ランキング』の1位に日本が入っていましたが、
観光の目的として『美味しいものを食べに来た』という人が多いです。日本には、安いものから高いものまで食の選択肢が幅広いですよね。
大袈裟ではなく、日本の飲食業が衰退することは日本という国が衰退していくことだと思っているので、業界を支えて盛り上げていきたいです」
――― なぜ、ミシュランの星付きレストランで働かれていたのですか。
「今でも、世界でいちばん美味しいものを作れる人になりたいと思って仕事をしています
就職先として選んだのは、ミシュランに掲載されているレストランであれば美味しい料理を作る人が多い環境だろうと思ったから。
ネットも無い時代でしたからね。
1件目はガイドブックで探して、『働かせてください』と交渉して入りましたが、2店目からはシェフが推薦してくれるようになりました。
一つお伝えしたいことがあります。人との付き合いを大切にしてください。
お金を稼ぐことは、後からでも付いてきます。僕自身、宗教も文化も違う国で、
お客さまを喜ばせる料理をチームプレイで作ることができた経験が、人生の糧になっています。
皆さんも知らないステージに挑むスピリッツを持って、興味があれば是非、調理の世界に入ってきて欲しいと思います」と、
後輩たちにエールを送りました
実用的な調理技術と、熱いメッセージ。
中東シェフ、お忙しい中、ありがとうございました
業界を志す人&興味がある人にとって、モチベーションがアップするような時間となったのではないでしょうか
レコールバンタン専門部/高等部のリアルな授業を体験していただけたら、嬉しいです
<cusavilla 草片>
ホームページ:https://cusavilla.com
SNS:@cusavilla
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