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2023.01.11東京
授業/特別講師/講演会
「パティスリーで、いちばん売れるといっても過言ではないのがショートケーキです
特にジェノワーズ(スポンジケーキ)がどうあるべきか、はお店によって考え方が違います。単純だからこそ、奥が深いです。
また、レシピだけでなく“作り方”でも仕上がりが変わります」と話すのは、
清澄白河と渋谷にお店を構える「EN VEDETTE」(アン ヴデット)森大佑講師✨
<森大佑シェフ PROFILE>
東京「ロイスダール」、「グランド ハイアット東京」勤務の後、渡仏。パリ「ローラン・デュシェンヌ(M・O・F)」、
パリ「モワザン」にてシェフ・パティシエとして勤務。帰国後、東京・豊洲「パティスリーSAKURA」のシェフ・パティシエとしてオープニングから携わり、
新歌舞伎座 開場記念土産「KABUKU~へん」を開発。日本洋菓子協会連合会公認技術指導員、就任。
2016年10月に、「EN VEDETTE」開業。
<デモンストレーション:ショートケーキ>
まず、ショートケーキのデモンストレーションからスタート
ルセット(レシピ)は、卵黄、全卵、グラニュー糖をホイッパーで混ぜます。
森講師「現場では、毎日、同じものを完璧に作ることが求められます。
量も多く、今作っている量の10倍から20倍の量を仕込みます。
ホイッパーの細さや、機種によってもできあがりが全然違ってきます。
高速で混ぜると、粗い泡になりやすいです。泡が大きいと混ぜた時に潰れやすいので気を付けて」と説明します。
また、薄力粉を合わせる際は……「小麦粉の種類によっても、含まれるグルテン量が異なります。
『EN VEDETTE』ではグルテンが弱めの薄力粉を使い、しっかりと混ぜます」とポイントを明かします。
湯煎で溶かしたバター、牛乳を加えて混ぜたら、上下165℃のオーブンで約28分間焼成します。
<実習:ケークシトロン>
森講師「ケークシトロンはシンプルな構成です。レシピは複雑にし過ぎず、素材の美味しさを感じられることを大切にしています」
まず、全卵に塩、グラニュー糖を入れます。
次に、レモンゼスト(皮)を入れたら、あらかじめふるっておいた強力粉、ベーキングパウダーを入れます。
メンバーから「なぜ、強力粉を使うんですか?」と質問があがりました✨
森講師「良い質問ですね!シロップを打ってもベチャッとしない、しっかりしたケーキに仕上げたいからです。
お店で販売している焼き菓子は、企業や個人のお客様が手土産として使うケースが多いです。
ということは、日持ちがしないといけません。先方に渡したときに、状態が良いことが条件です。
販売してから、召し上がるまでに時間が経ってもケーキが崩れないように、強力粉を使います」
調理単体でとらえるのではなく、どのようなお客様のニーズに応えているのか?
というところまでトータルで考えてお菓子を作る必要があると説きます。
「パティシエにとって、お菓子作りは商売です。つまり、利益を出さなくてはいけません。
どういう人が買うのかを考えて。ただ美味しいから売れる時代ではありません」と、森講師。
最後に、スケールで400gをはかり、オーブンへ。
講師のデモンストレーションを見た後に、在校生(以下、メンバーと呼びます)も、すぐにケークシトロンの調理に入ります。
講師の技術を間近で見た後に、同じ工程を再現することで、現場で求められる技術力を習得します
「強力粉を使ったスイーツは初めて作ります。混ぜていると粘度が上がりました」と、井手さん。
後藤さんは「月に1回特別授業があり、シェフによってさまざまなメニューを教えてくださるので楽しいです。
森講師がおっしゃっていた『ホイッパーの種類や機種が違うだけでも仕上がりが違う』という点が印象に残っています」と話します。
オーブンに入れて待つ間、森講師に話をうかがいました。
――― なぜ、実習メニューに「ケークシトロン」を選ばれたのですか。
森講師「フルーツそのものの香りの良さを知ってもらいたいと思ったからです。
皮(ゼスト)を入れるだけで、風味豊かに仕上がります」
――― 新卒を採用する点に、志願者のどのようなポイントをご覧になりますか。
森講師「大切なのは、コミュニケーション能力と責任感です。さきほどのデモンストレーションでも
、自ら質問に来るメンバーとそうでないメンバーとで、既に差がありますよね。
例えば、現場であれば計量ミスをしてしまった際に気付いた時点ですぐに教えてくれないと、取り返しがつきません。
また、仕事をかってでるような責任感があるとなお良いです。
チャレンジすれば年齢は関係なく、周りのメンバーからも頼りにされるようになります」
お話をうかがっているうちに、ケークシトロンが焼きあがりました!
オーブンから出すと、メンバーから拍手が巻き起こりました。
森講師「美味しそうでしょ?
オーブンから出したら、アンビバージュ(※)を打ちます。通常、シロップは『塗る』といいますが、そうではなく『置く』感覚で行います。
塗るだと広げてしまいますが、しみ込ませていきたいので置くようなイメージで」と、教えます。
業界で活躍するプロフェッショナル講師から、直接ポイントを教えていただけるのは、アルバイトや他のスクールでは経験できないチャンス
シェフと近い距離で技術を伝授していただくことで、成長スピードも速まりそうですね✨
@en_vedette_
@envedette_shibuya
https://envedette.jp
※アンビバージュ(仏、imbibage)/ジェノワーズやビスキュイなどの焼いた生地に風味としっとり感を与えるために使うシロップのこと。