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- <オープンキャンパス>鎧塚俊彦シェフが指導!1人1台 ...
2024.05.19東京
イベント授業/特別講師/講演会
「菓子屋は世界一、幸せな仕事です」と語るのは、Toshi Yoroizukaオーナー鎧塚俊彦シェフ。
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レコールバンタンには、鎧塚俊彦講師がカリキュラムを監修する「グラン パティシエ学部」があります。
24年5月中旬に実施されたオープンキャンパスでは、受講生が「実習」メインの授業を体験!まずは、鎧塚俊彦シェフによる講演からスタート。
1.技術だけじゃない。大切なのは「当たり前のことをやり続けること」
「パティシエになるには技術も大切です。でも、もっと大切なことがあります。
それは、当たり前のことをやり続けること。でも、ただやっているだけではダメで、一生懸命やること。
一つひとつの工程になぜこうなるのか、もっと良いやり方があるのでは、と疑問を持ち考えることが大事です。
20年、 30年と続ければ、すごいパティシエに必ずなります。
やり続けること、人としての軸を持つことが大事です!」と、熱いメッセージを寄せます。
授業は、講師によるデモンストレーションから始まります。
鎧塚講師「ジェノワーズを作ります。日本人はスポンジと呼びます。
日本のジェノワーズは世界一です。これによって、お店の売上げが変わるといってもいいくらいです」
ボウルに、全卵、上白糖、ハチミツを入れます。(※詳しいレシピは体験授業参加者のみに公開)
サポートに入っていただくのは、鎧塚講師が信頼を寄せる吉田講師。ハンディミキサーで混ぜ合わせていきます。
鎧塚講師「吉田講師は湯煎で温めているよね。なぜ?」
「?」という表情の受講生。鎧塚講師は、一つひとつの工程を考えさせる意図があるよう。
「卵白の表面張力を壊すためです。卵白単体では、泡立てやすいです。
小麦粉は、卵白の膜を強くしますが、一方で油脂を含む卵黄は膜を破ってしまい、
そのままでは立てにくいです。常に疑問をもって、考える人間が伸びていきます」
2.レコールバンタンは「実習中心」だから技術力が身につく
ふるった薄力粉を少しずつ入れ、「の」の字を書くように混ぜます。
吉田講師は温度計で測りながら、ハンドミキサーを使って調理を進めます。
生地を8の字に落として、筋がつく程度までになったら泡のキメを整えます。
ここで、生地が膨らむ原理を解説。
鎧塚講師「気泡の壁を強化するのは、小麦粉と砂糖です。
気泡の中に小さい気泡を作ると、丈夫になります。これが、キメを整えるということ。
大きい気泡の中に小さい気泡が作られて丈夫になる=光が当たったときに、ツヤが出ます。
また、この気泡は、オーブンに入ると風船のように膨らみます」
バター、生クリームを入れたら、生地をやさしく混ぜ合わせます。
鎧塚講師「砂糖によっても、性質に違いがあります。グラニュー糖と上白糖の違いは?」
受講生からは「細かさ?」などの意見があがります。
鎧塚講師「上白糖は、転化糖をまぶしています。転化糖は水分を抱き込む力が強いので、上白糖は保湿力が高いです。
グラニュー糖は固まらないけれど上白糖は固まります。なぜか?これも、水分を抱き込む力が強いから。
ジェノワーズに上白糖を入れると水分を抱き込み、しっとり感が長持ちします。
ただし、上白糖は焦げやすく茶色っぽくなりやすいです」と解説。受講生もメモを取りながら、熱心に聞きます。
デモンストレーションの後、受講生もさっそく調理に取り掛かります。
鎧塚講師が各テーブルを周り、指導してくださいます!
生地が焼きあがると……
鎧塚講師「焼きあがった生地は上部の気泡があらく、下がつまった状態です。
なので、焼きあがったら、ひっくり返しておきます。そうすることで、気泡が均等になります」
ケーキを回転台にのせ、「アンビべ」というシロップを打ち、生地の上にたっぷりのクリームをのせます。
鎧塚講師「二段目の生地から、丸く形を整えてドーム型になるように積み上げていきます。
今日はデモンストレーションなのでゆっくりですが、1台5分くらいで仕上げます」
鎧塚講師「キレイな部分を正面にしましょう」
完成です!
ここまでの工程を見て、受講生も調理に入ります!
レコールバンタンの特長は、「一人一製作」。
仕込みから調理、仕上げまで全ての工程を1人で行うことで、実践的な技術が身につきます。
受講生は、イチゴ、キウイ、オレンジ、バナナを使って、自由にデコレーション!
「ナッペ(※ケーキにクリームを塗ること)をするときは、ナイフは大きく動かして。
メンバーがサポートしてください」と鎧塚講師。
各テーブルに在校生1名がつくので、製菓初心者でも安心です。
こうして、受講生も実習に取り組むことができました。
3.自分の目標を持って。鎧塚講師が大切にする「成功の方程式」も伝授
続いて、鎧塚講師が大切にする『人間教育』。
「皆さん、幸せになりたいよね。じゃあ、幸せになるとはどういうこと?受講生一人ひとり、幸せのゴールが違います。
僕は仕事が全然できなかったです。運動もできない、頭も良くない、普通の人がやる以上にやらなきゃいけないと思い、
始発から終電まで働いていました。でも、たった一度も働かされているという感覚はなかったんです。
今、若い人が『働かされている』と感じているような気がしています。
もしかすると、自分の夢がないからそのように思うのかもしれません。
自分の目標や道を決めないといけないのではないかな、と思います。夢というと、何か壮大なことを目指さなきゃと思うかもしれませんが、違いますよ。
自分は何がしたいのか?地元で小さなケーキ屋さんを営みたいのか、自分の幸せを考えないと、間違った方向にいってしまいます。
ぜひ、好きなものを、やっていてほしいです。好きなことは個性になり武器になっていきす。焼菓子が好きなら焼菓子一本で勝負してもいいです。
でも、菓子屋さんとして基本的な技術は身につけてください。
僕には7つの夢があります。そのひとつは『第一次産業と地域の活性化』。
いちばんの夢は、『一生美味しいお菓子をつくること』です。3~4年前くらいから唯一無二になってきたな、という実感があります。
しかし、僕らの言うことを聞いたところで、上手くいきません。あなたたちは、僕らとは生きる時代が違います。
ある芸人さんが説く『成功の方程式』があります。横軸がパーソナリティ、縦軸が時代です。
自分のパーソナリティと時代が合うと成功します。Toshi Yoroizukaでは、ライブデザートと畑からの菓子作りで勝負しています。
ライブデザートは、6席のカウンターで始めました。親方から「客単価はラーメン屋さん、回転率は寿司屋さんでは失敗する」と言われました。
でも諦めませんでした。それが個性であり、ポリシーであり、職人としてのプライドや、やりたいことが打ち出せているからです。
人間はやりたいことでしか輝けないんです」と、目標を明確にする大切さを伝えます。
4.「お菓子屋さんが世界一幸せなのはなぜですか?」
ドーム型ショートケーキを試食しながら、受講生からの質問タイム。
――― 「お菓子屋さんが世界一幸せ」と言われたのはなぜですか?
「ケーキは幸せの象徴です。映画でも、誕生日、結婚式にはケーキがありますね。
人の幸せを常に演出する仕事です。お医者さんのように命をかけて来るような人はいません。
お菓子屋へは幸せになりに来て、その人たちに幸せを提供します。
業界には、信頼できるいい子が多いです。ここにいる皆さんは、僕らなんて頑張ればすぐに超えられますよ。
思い浮かべるパティシエ像に必ずなれます。アスリートの世界は限界がありますが、頑張れば、優勝のチャンスがあります。
料理・スイーツの世界では、先輩方もたくさん活躍されています。そういう世界にぜひ入っていただきたいです。
もしもご入学されたら、全力でやらせていただきたいと思います。
学校が目標ではありません、社会に出て20年、30年が勝負です。
僕らはそのお手伝いをさせていただきます」と、熱いメッセージを送りました。
イベントを通じて、レコールバンタンの雰囲気を知っていただけたら嬉しいです!