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2018.10.01東京
授業/特別講師/講演会
レコールバンタンでは、業界の最前線で活躍するプロフェッショナルから、その分野の専門知識を学ぶ「直伝プログラム」を開催しています。
参加できるのは2年生の学生ですが、1年生でも、成績優秀者3名が参加できる特別なプログラムなんです!
今回のゲスト講師は、茶リスタの小山 和裕講師。
「西荻窪で、Satén(サテン)というお店をやっています。そもそも、茶リスタってなんやねん!?と思うかもしれませんので……」
と、ここでご自身の年表を大公開!
「新卒で入った会社を半年で退社して、バリスタに憧れてイタリアンレストランでバイトを始めました。25歳のとき、日本茶カフェで働き始めます。
日本茶にあって、その美味しさにとても驚きました。そして、もうひとつ驚いたことが、日本茶という文化を伝える淹れ手がとても少ないこと。
それまで、コーヒーのセミナーを受けていたときは年齢的に中堅だったのに、日本茶のセミナーでは、自分が最年少。参加しているのはおじいちゃん、おばあちゃんばかりでした……」
そこで、日本茶の淹れ手として、お店を構えて日本茶の魅力を発信していこうと決意。
「Saténのコンセプトは、『Leaf to Relief〜茶葉から一服へ〜』です。
茶葉から、ホッとする時間をうみだすということもそうですし、ホッと一服する時間から、茶葉を作る農家さんや、地域に貢献していきたいという想いを込めています」
また、日本茶カフェの役割として、「日本茶ピラミッド」のすき間を埋めていく役割もあると強調。
小山講師の資料によれば、さまざまなチェーンやロースタースタンドが充実するコーヒー分野のピラミッドに対して、
日本茶のピラミッドは、上層階のハイクオリティーなものからペットボトルやティーバッグなどの下層階まで分かれていて、階層と階層の間には大きな開きがあるそう。
「Saténでは、単に日本茶を提供するのではなく、この階層と階層とをつなぐことも果たしたいと考えています」
小山氏の想いをうかがったところで、後半は、学生たちも課題に取り組みます。
お題は『日本茶のメニュー開発』!!
小山講師 「日本茶メニューの開発で求められることは、4つ。志、コンセプト、ストーリー、場所です。
まず、場所は、どこで出すのか?カフェなのか、バルなのか屋外なのか。また、志はそのドリンクによって何を達成したいかという想いです。
ストーリーは、例えば自分の実家がイチゴ農家なので、イチゴを使った抹茶ドリンクを開発したい、といったメニューの裏にある物語ですね。お店に立っていても、『なんで、このメニューを考えたんですか?』って頻繁に聞かれます。
そのときに、ただ『なんとなく』『おいしいから』ではダメ。僕たちは、それぞれのメニューにしっかりとしたストーリーがあることが求められています。これら4つの観点からメニューを考えてください」
時間は、45分!
「炭酸を使いたいな」
「カルピスと抹茶は、絶対に相性がいいと思う!」
「暑いから、冷たいドリンクがいいね」
と、チームごとで考える学生もいれば、個人でアイデアをねる学生も。
小山講師も「学校って、いいですよね!これだけの材料が揃っていて試作できるなんて贅沢です」と、側で温かく見守ります。
試作のために、4種類の冷茶が用意されました♪
左から...
・埼玉県・横田園の深蒸し茶(おくはるか)
・鹿児島県・八万寿茶園の煎茶(栗田早生)
・茨城県・吉田茶園の深蒸し茶(ほくめい)
・静岡県・豊好園の煎茶(香駿)
・神奈川県・高梨茶園の煎茶(はるみどり)です。
※1()は、品種です♪
日本茶と、いろいろなドリンクを掛け合わせていきますが、「なんか青汁みたい(汗)」と、すぐにはイメージする味にたどりつかないことも。
カクテルシェーカーをふって、試作するグループもありました!
プレゼンの時間では……
「抹茶とエスプレッソを合わせたティーラテ」や、「抹茶の苦みに、ミルクのなめらかさとチョコレートシロップを合わせて飲みやすく仕上げたドリンク」、「失恋のときに飲むオリジナルドリンク」などが提案されました!
なかでも、小山講師が「すぐにどこかのカフェで商品化できそうです」と舌をまいたのが、植松さんの提案したメニュー。
「コンセプトは、食前酒からイメージした酒前酒(しゅぜんしゅ)。お酒を飲む前に、抹茶、炭酸、ヨーグルトを混ぜた飲料を提供します。血糖値の上昇をゆるやかにし、ビタミンCも摂ることができます。居酒屋などをターゲットにしようと思います」
小山講師 「お茶は万能薬や漢方としても活用されてきたので、お酒を飲む前という発想はとても面白いですね。フレンチレストランなどで提供するのもいいかもしれません。完成品ができたら、持って来てください!」と、高く評価しました。
最後に「今、飲食店で問われているのは、この4つをどう提示するか。おいしいのは当たり前で、その先にあるものをお客さんは求めています。
これからも、4つの要素をぜひ意識していってください。そして、これから飲食業界で活躍していくときに、日本茶を活用していってくれたら嬉しいです。
日本茶を少しでも頭の片隅に淹れておいていただければ」と、締めくくりました。
奥深い日本茶の世界と、フードにも応用できるメニュー開発のポイントを知ることができましたね!
小山講師、素敵なLeaf to Reliefをありがとうございました!