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- 中華料理の名店【わさ】山下 昌孝シェフ直伝!担々麺の ...
2019.12.16東京
授業/特別講師/講演会
『人気がありすぎて予約困難な』中華料理店としてその名を知られている【わさ】。
その【わさ】シェフであり、現在は新店オープンに向けて準備中の山下 昌孝シェフをお迎えしました。
教えていただくのは、シェフのスペシャリテであるこちらの2つ。
1. きゅうりとネギとザーサイの和え物
2. 担々麺
<1の作り方をデモンストレーション!>
ザーサイを切りながら「きゅうりとネギと合わせるなら、僕はザーサイが少し固いくらいが好きです」と山下シェフ。
周りのかたい部分を切り落とし、中心の柔らかいを食べやすい大きさにカットしていきます。
次はきゅうりの千切り。皮をむき、氷水につけておきます。ちなみに山下シェフは5〜6時間つけておくそう。
山下シェフ 「氷水に長くつけると食感が際立ちます。しかし、きゅうりの味は薄くなります。どちらがいい悪いということではなくて、好みの問題です」
と、一つひとつの工程の意味について考えるように説きます。
きゅうりを千切りにする際は、種が入ると水っぽくなるため種の部分は避けると◎。
また、きゅうりは切った後も水分が出るためキッチンペーパーに包んで冷蔵庫に保管します。
<学生も、一人一制作!>
早速、野菜の切り出しに取りかかります。スピードは早いもののネギを"押し切り"している学生を見かねて……
「そのクセ、直したほうがいいよ。押し切りになってしまっているから。包丁はノコギリを引くように動かして」とアドバイス。
山下シェフのアドバイスを受ける前と、受けた後で切り比べてみると……
「本当だ。押して切るとネギの汁が出てきてしまっていますね」と納得。
山下シェフ 「そうでしょう?音を聞いてみて。押しているとドンドンとなるけれど、刃先から入れればトントンという音になります。
きゅうりとネギとザーサイの和え物は親方から教わったものを僕なりに改良したスペシャリテ。シンプルですが、しっかりと仕込めば800円にも、1,500円にもなる料理です」
と、基本をおざなりにしないようにとアドバイス。
<担々麺のスープの仕込み>
続いてはスープの仕込みです。今回、鶏ムネ、鶏モモ、鶏ガラの3種類でスープを作ります。
「硬水で洗ったときと、水道水で洗ったときの比較をしましょう」と山下シェフ。
ボールに硬水、水道水をはって鶏を洗います。温度は37℃、ぬるま湯で皮目をしっかり洗うのがポイント。
すると……「スゴい!!硬水で洗ったほうが、汚れや脂がたくさん浮いている」と、学生も興奮気味です。
そして洗った鶏を使って、だしを取ります。今回は、6種類のスープを仕込みます。
◆鶏ムネ(水洗い/硬水洗い)
◆鶏モモ(水洗い/硬水洗い)
◆鶏ガラ(水洗い/硬水洗い)
鶏ムネ、鶏モモ硬水洗いには昆布を、鶏ガラ硬水洗いには昆布・生姜・ネギを加えています。
水が沸騰したところに、各パーツを入れてだしを取ります。
山下シェフ 「白いアクが出てきますが、新鮮な鶏はそこまでアクが出ません。アクを取ったら一度だけかき混ぜてください」
また、だしをとるときもコツが。
山下シェフ 「ガラはコトコト気泡が出るように炊きます。ガラは他の部分に比べて臭みがあるので、気泡で臭みを出すようなイメージです。他の部位はポコポコさせなくて大丈夫」
10分ほどして、鶏ムネ(水洗い/硬水洗い)のスープを飲み比べた学生は「硬水で洗った方が、味が深い!」と驚いていました。
スープのベースとなるだしは、30分、60分、90分ごとに器に盛りつけ、飲み比べ。
計6種×3(30分、60分、90分)パターン=18通り
のだしを試飲し、だしの味わいを比較することができました!このだしは、他の中華料理にも応用することができそうです。
山下シェフ 「僕は親方から『常に考えろ』と教え込まれました。どの工程も、単に『こなす』作業にならないように。僕の方法が絶対ではありませんし、お店によってやり方も違います。料理は真似てなんぼだと思います。自分の美味しいと思う方向、やりたい方向に持っていって」と、エールを送りました。
山下シェフの美味しさへの探究心を間近で見て、学生たちも沢山のヒントを得られたようです。