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2021.11.17東京
授業/特別講師/講演会
秋葉原「KIELO COFFEE」、本郷三丁目「Be green by KIELO COFFEE」オーナーバリスタ吉池弘樹講師をお迎えしました。
実は吉池講師は、若干26歳!
バリスタとしてだけでなく敏腕経営者の顔を持ちます。
資料のタイトルには「令和の時代に挑戦するための物語」と記されていて、熱い想いが感じられます
- <KIELO COFFEEの由来>
「僕がカフェを始めたのは、大学の卒業旅行でフィンランドを訪れたことが深く関係しています。
当時の僕は、オーロラを見て、その景色をInstagramにあげたいという寒い動機を持っていました。
Airbnbでステイ先を見つけ、家主のアルツさんにそのことを伝えると、オーロラを見に行くのは『Impossible』だと言われました。」
「SNS大作戦は破綻するものの、アルツさんはフィンランド流の楽しみ方を教えてくれました。
大きな違いはDoingではなくBeing。ただそこにある幸せを感じる楽しみ方です。
僕はコーヒーを飲んで、読書をしてただそこにある幸せを満喫する過ごし方に感銘を受けました。
店名のKIELOは、フィンランド語でスズランという意味で、『再び幸せが訪れる』という花言葉を持ちます。
ちなみにフィンランドの幸福度ランキングは世界何位だと思いますか?」
在校生「1位」
「その通りそして、日本のランキングは56位です。少しでも日本の幸福度が上がるように、KIELO COFFEEを通して貢献できたらと思います」
- <吉池講師の経歴>
18歳で獨協大学経済学部に進学し、スターバックスでアルバイトを開始。
一定の基準を満たしたパートナーのみに送られる「ブラックエプロン」を取得しました。
22歳で「人を幸せにするのが好き」という想いからブライダル会社に入社し、一年半従事した後に退社。
24歳で秋葉原に「KIELO COFFEE」をオープンさせます
「僕のことは、『一般人だね』と思ってください。カフェオーナーになる強い動機がなくても、個人的には構わないと思っています。
この中にカフェオーナー志望の方は何名いますか?」
7人ほど、手が挙がりました。
一人ずつ意見を聞くと、
「3年後くらい、心と資金に余裕ができたら始めたいです」
「まずは大手企業に就職して経験を積んでから、30歳前後で始めたい」
「私は、どちらかというと年を取ってから始めたいです」とさまざまな意見が出ました
「皆さんは、ポケットにスマートフォンを持っていますよね。これは大きな武器です
調べれば、カフェ開業にかかる初期費用、オープンまでの流れ、資格や届け出など、ありとあらゆる情報が手に入ります。
もしかすると、動けない理由は謎の不安かもしれません。不安は、自分が作り出している妄想にすぎません。
個人的には開業するなら、早ければ早いほどいいと思っています。
ぜひ、今回は社会に飛び出すヒントを持ち帰ってほしいと思います」
- <時代の変化について>
「カフェオーナーは、今の時代にフィットした仕事です
時代の変化について考えたいと思います。まずは仕事選びの変容です。
かつては、大企業に入って終身雇用の時代でしたが、今、一生安泰の仕事はありません
コンビニのセルフレジなどを見ても分かるように、仕事は機械やAIに代替されています。
次に、世間的ニーズの変化について。モノが飽和している時代、消費のトレンドは『モノからコト消費へ』だと言われてきました。
でも、これも古くなりつつあります。
今は、『トキ消費、エモ消費、意味消費、コトつきのモノ消費』というフレームワークを活用することができます
1.トキ消費は、『今その場でしか体験できないこと』。
例えばクラウドファンディング、期間限定商品などがこれにあたります。
2.エモ消費は『感情を想起できる消費行動』のこと。
例えば、公園の横のカフェスタンドなら、お客さまは公園にテイクアウトで話しながら飲むというエモーショナルな瞬間も含めて購入しています。
3.意味消費は社会貢献する、SDGsやサステナブルなど『自分の消費行動に意味があるかどうか』の基準です。
4.コトつきのモノ消費は、例えばコーヒー豆の定期便を購入してくれたお客様には、
お店運営に参加できたり意見を言える権利を付与するなど、本来はカスタマーが入れない領域に参加できるなど『コト』がついた消費のことです」
また、吉池講師の体感として、
「人はお金を使うときに、『顔の見える人にお金を払いたくなってきている』と感じています。
つまり、個人プレイヤーとして生きやすい時代になりつつあります。
大企業ではなくても、コーヒー屋さんとして自己表現しやすい土壌が整っていると思います」と話します
- <個人店がスタバに勝つには?>
「モノでの差別化は、模倣可能です。しかも、オーナーにも負荷がかかり疲れてしまいます。
例えばですが、タピオカはややブームが去ってしまった印象がありますよね
モノのトレンドは移りゆきます。スタバと戦っても価格、不動産、スタッフの教育力など100戦したら個人店は99敗です。
でも、ただひとつだけ一勝できるものがありますそれは……?」
在校生「オリジナリティ?」
「そうです!言い換えると創業オーナーがお店にいること。さきほども言いましたが、顔の見える商店にお金を払っていただきやすい時代です。
皆さんはなぜ、カフェオーナーになりたいのでしょうか?WHYで、自問してみてください。
『なぜ』を5回繰り返して出てきた原体験や思想こそが、そのお店にとっての『ブランド』であり『無形資産』です」 と締めくくりました。
次回授業では、在校生自身がなぜ飲食業界を志したのか?なぜ、コーヒー業界でキャリアを築いていきたいと思うのか「原体験ワーク」を行う予定です。
2時間の熱い授業を終えて、学生たちの士気も様子高まった様子
在校生メンバーと同世代でありながら、業界で活躍されている吉池講師のお話は、
身近な「ロールモデル」として、多くの刺激や気づきを得られたのではないでしょうか
吉池講師は、YouTubeでも積極的に業界にまつわる情報を発信しています
参考になることが多いので、ぜひチェックしてみてくださいね