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2024.07.20東京
イベント
7月19日(金)、20日(土)の2日間、中目黒3号館にて、グランパティシエ研究科 卒業制作展が実施されました。
グランパティシエ研究科在校生(以下メンバーと表記します)の2年半の学びを披露する場です。
今回は最終日の様子をレポート。11時のオープンと同時に、たくさんのお客さまで賑わいます。卒業制作展は、3エリアで構成されます。
まずは、テイクアウトブース。生菓子12種、ジュレ6種、焼き菓子9種、ドリンク3種が揃います。
次に、シュガークラフト作品の展示。そして、イートインスペースでは、皿盛りデザート「デセール」4種の販売提供が行われました!
- 焼菓子&生菓子&ドリンクを販売>
今回、販売した生菓子の一部をご紹介!マンゴーのショートケーキ「マングー シャンティー」(税込450円)、
レモンを使用したレアチーズケーキ「フロマージュ クリュ」(税込450円)、
カシスのメレンゲと果実の入った葡萄ゼリー「ヴェリーヌ ビオレ」(税込450円)などが、ショーケースに並びます。
グランパティシエ研究科・池田さんは「焼き菓子はオープンして1時間程度で完売しました。
今回は、『タルトベルガモット』のタルト、メロンのムース『シャラント』などを担当しています。
卒展まで、あっという間でした!在学中の思い出は、『独立開業チャレンジ』。
自らお店のコンセプトから商品までを考え『渋谷PARCO』に期間限定で出店しました。在学中から、独立・開業に挑戦できたのが良かったです!」とコメント。
グランパティシエ研究科・松本さんは、「私は『パリ留学研修』に3カ月行ったことが印象に残っています。
ホームステイをし、現地のパティスリーではひたすらブリオッシュを仕込み、技術も上がりました。
フランスで生活したことで自信がついたと思います」と振り返ります。
シュー&べリーヌを担当したというグランパティシエ研究科・高橋さんは、「実習中心の授業スタイルが、自分に合っていました。
また、業界のトップシェフたちとのコネクションがあり、授業で教えていただいたり、研修に行かせていただいたりしました!
今日はこれまでの集大成なので、ミスがないように落ち着いてのぞみたいです」と話します。
- シュガークラフト作品の展示>
会場には、メンバーによるシュガークラフト作品を展示。
6時間の授業を全3回行い、完成させました。
バラの花、リボンなど、非常に繊細な装飾が施されています。
- 皿盛のデザート「デセール」は、ライブ感にもこだわり!>
「デセール」は、4種類。
4チームに分かれ、「夏に食べて美味しいデセール」をテーマに、コンセプト立案から原価計算、調理、提供までをトータルで行いました。
- 「フェール ド ペッシェ」。ピーチメルバをイメージしたデザート。やわらかな甘味の桃と、甘味と酸味のバランスのよいフランボワーズを堪能できるひと皿。
- 「エリオント」。オレンジとアプリコットの重層的な味わいや食感が楽しめるデセール。
- 最後に、「大人感」を演出するためにオレンジ・リキュール「グランマニエ」をシュッと吹きかけてから提供します。
- 「フロマージュ アグリューム」はチーズケーキに5種類の柑橘を合わせ、さらにバジルアイスを添えてアクセントに。
- メレンゲとラングドシャのサクサク感と、柑橘の爽やかな酸味を楽しめるひと皿。
- 「小夏」マンゴーをふんだんに使ったパフェ。ジュレ・ジャスミン、クレム・マングー、クレム・シャンティー、コンポート・マングー、ジュレ・マングー、ココナッツムースから成る6層のパフェに、メレンゲやラングドシャをアクセントに加えました。
デセールの提供は、完全予約制です。毎回満席で、多くのお客さまにお越しいただきました!
フィナーレとなる最終回では、鎧塚シェフによるデモンストレーションも実施され、華やかな雰囲気に!
鎧塚シェフに、インタビューを行いました。
――― グランパティシエ研究科の4種の「デセール」をご覧になって、感想は?
鎧塚シェフ「自分たちなりに勉強してきていると感じます。僕が教えてきた構成を踏襲しながら、各自が勉強してきたことが見てとれます。
見た目も洗練されていて、仕上げに『グランマニエ』を吹きかけるなどプレゼンテーションも考えられています。すごく美味しいですし、お客さまに提供する価値が十分にあります」
――― 「デセール」を考えるうえで、重要なポイントは?
鎧塚シェフ「いちばん大事なのは美味しさ、そして味のバランスです。
肩に力が入り過ぎて、オリジナリティを出そう出そうとし過ぎると、美味しさがおざなりになり、味のバランスが崩れてしまうことが多々あります。
美味しさがベースにあってこそ、珍しさ、食感、美しさが際立ちます。奇をてらい過ぎるものもなく、盛り付けも調和が取れていると思います」
実際に、デセールを召し上がったお客さまからは
「美味しいものを食べると、笑顔になりますね!」
「素晴らしかったです」など、お褒めの言葉をいただきました!大盛況の中、16時にクローズし、鎧塚シェフと最後の振り返りが行われました。
鎧塚シェフ「卒展を終えた、感想は?」
メンバーからは、「両親や友だちが来てくれました。
また、大量買いされて喜んでくださるお客さまもいらっしゃいました」「自分の夢がまたひとつ叶ったと思います!」といった意見があがりました!
鎧塚シェフ「世の中に、たくさんのケーキ屋さんがある中で、お客さまは足を運び、お金を払ってくださいます。
毎日、『ありがたいな』と思いながら作れるといいです。というのも、毎日毎日8時間ケーキを作ると『作業』になってしまうことがありえます。
僕たちにとっては300個かもしれないけれど、お客さまにとっては大切な1個。300分の1ではなく、『大切な1×300個』という気持ちを持ち続けて。
社会に出たら、楽しいことばかりではありません。残念ながら辞めていく人もいます。続けていくこともすごく大変ですが、単に続けていくだけではダメ。
意味を持ち続けられるかどうか。仕事ができる人は、先輩からも仕事を任されて、後輩からも信頼され、どんどんできるようになります。日々、緊張感をもってください」
――― 研究科のメンバーは9月で卒業を迎え、10月からは社会人になります。
学生とのギャップがあるかと思いますが、メンバーにはどのようなマインドを持ってほしいですか?
鎧塚シェフ「当たり前のことを、当たり前にやることが、社会人はとても大事です。お店によって雰囲気もまったく異なります。
まずは、就職した店舗になじむことが大事です。新入社員の時点で、技術が優れていれば“みっけもの”です。
技術も大切ですが、それよりも、素直に、真面目に働くこと。例えば、時間通りにきちんと出社する、体調を管理する、挨拶をする、一緒に働くスタッフと協調性を持つ。
どのお店も、どんな業界でも、そういう人材が欲しいと思います。2年、3年と働いていけば、技術は必ずついてくるものです。
だからこそ、最初の2~3年は、特に人としての基礎をきっちり守っていくことを意識してほしいです。そうすれば、シェフに気にしてもらえて、人より多くのチャンスをもらえます。
失敗することも、苦しいことも一杯あると思います。それはそれとして受け止めて、次に備えていく姿勢を持ちましょう。
地道に努力を積み重ねていけば、10年、20年、30年と長いスパンで見ても必ず伸びますし、菓子職人として頭角を現していくことができます。
今日は、本当にお疲れさまでした」と労い、エールを送りました。
グランパティシエ研究科メンバーによるラストイベントは、こうしてたくさんのお客さまに支えられ、有終の美を飾ることができました!